「負けている時に歯痒く感じる遅延後衛の光景がなくなるのは大きい」W杯から時間稼ぎ対策を強化 VAR対象拡大など新競技規則が正式決定

2026.3.1

国際サッカー評議会(IFAB)は2月28日に年次総会を開き、2026-27シーズンから適用される新たな競技規則の改正を正式決定した。新ルールは2026年のワールドカップから導入される予定で、日本でもシーズン移行後のJリーグで採用される見通しとなっている。今回の改正ではVARの介入範囲の見直しや交代・リスタート時の時間管理の厳格化などが盛り込まれ、試合の流れを不自然に止める行為を減らす方向性がより明確になった。


 

特に大きな変更点として挙げられるのが、VARの介入対象の拡大だ。

これまでビデオ判定はゴール、PK、一発退場、人違いのカード提示など限られた場面にのみ適用されていたが、新ルールでは2枚目の警告による退場処分が誤りだった場合にもVARが介入できるようになる。また、反対側のチームの反則を見落として誤った選手にカードが出された場合なども対象に含まれることになり、判定の公平性を高める狙いがある。さらに大会の判断によっては、本来ゴールキックで再開すべき場面をコーナーキックと判定したケースについてもチェックの対象とすることが可能となる。

 

試合のテンポに大きく影響する変更として、交代やリスタート時の時間稼ぎに対する規制も強化される。交代時にはボードが掲げられてから退く選手が10秒以内にピッチを離れる必要があり、これを超えた場合は交代で入る選手がすぐにプレーに参加できず、一時的に数的不利の状態になる。負傷による中断後にピッチ上で治療を受けた選手も、再開後すぐには戻れないルールが追加され、意図的に時間を使う行為を防ぐ措置が取られる。さらにスローインやゴールキックでも再開が遅いと判断された場合にはカウントダウンが行われ、制限時間を超えると相手ボールになるなど、リスタートの遅延に対する罰則も明確化された。

 

こうした改正によって試合終盤の展開はこれまでよりスピーディーなものになると見られている。リードしているチームが最終ラインでボールを回し続けたり、ゆっくりとした交代で時間を消費したりする場面はサッカーでは珍しくないが、応援している側が負けている状況では、その光景に強い歯痒さを感じることも多かった。今回のルール変更はそうした意図的な遅延を抑える方向に働くため、試合終盤まで緊張感のある攻防が続きやすくなると期待される。

 

このほか国際親善試合での交代人数の上限拡大や、決定機阻止の反則に対する扱いの見直しなども決定されており、全体としては試合の公平性とスピード感を重視した改正となった。2026年大会から新ルールが適用されることで、これまで見慣れてきた試合終盤の時間の使い方も少しずつ変わっていくことにな