ビッグエア全日本=すでに“4年後”は始まっている―兄弟で頂点へ、木村葵来&悠斗が示した国内選手層の分厚さ

2026.2.27

2月26日、福島県で行われたスノーボード・ビッグエア全日本選手権決勝。

ミラノの熱狂が冷めやらぬなか、会場で示されたのは“次の4年”を見据えた明確な意思だった。

男子では、木村葵来選手と弟の木村悠斗選手がワンツーフィニッシュ。

女子では、村瀬心椛選手の妹・村瀬由徠選手が頂点に立った。

ミラノ世代とその“次”が、早くも主役の座を争う構図が鮮明になっている。


 

■兄弟で頂点へ「4年後も一緒に」の誓いが現実味

男子ビッグエアは、弟・悠斗選手が1回目、2回目ともに87点をマーク。合計174点で優勝を果たした。兄・葵来選手も2回目に90.33点、3回目に83点を記録し、合計173.33点で2位。わずか0.67点差の激闘を制したのは弟だったが、兄弟でのワンツーフィニッシュは圧巻の内容だった。

葵来選手はミラノ五輪スロープスタイル出場時、「弟と一緒に4年後もメダルを獲得できたら」と語っていた。その言葉どおり、兄弟で表彰台の頂点を争う現実が、すでに始まっている。

この日は、ミラノ五輪男子ビッグエア銀メダリストの木俣椋真選手、予選トップ通過の荻原大翔選手、スロープスタイル銀メダリストの長谷川帝勝選手も、オリンピック顔ぶれが揃い組で出場。
木俣選手は3回目に95点を叩き出し169点で3位。

長谷川選手は146.33点で4位、荻原選手は7位だった。

五輪メダリストと次世代が真正面からぶつかる構図は、日本スノーボード界の層の厚さを改めて印象づけた。

 

■女子は“妹世代”が主役に

女子では、由徠選手が1回目90.33点、2回目95点と高得点を連発。

合計185.33点で堂々の優勝を飾った。

姉・心椛選手が築いた実績に追いつき、追い越す。

そんな覚悟すら感じさせる滑りだった。ミラノ世代の背中を追ってきた若手が、今や追われる立場へと変わりつつある。

 

■19mジャンプが映し出す進化し続ける日本ライダーたち

今大会のビッグエアは、日本最大級となる19メートルのジャンプ台を使用。

空中で高難度トリックを繰り出し、その完成度を競う“空中技”特化種目だ。

高さ、回転数、スタイルの美しさに加え、ボードを掴むグラブの精度や長さ、そしてランディングの安定感が得点を左右する。技術は年々進化し、4年という時間は決して長くない。

だからこそ、彼らはもう動き出している。


【男子ビッグエア 結果】

1位 木村悠斗 174点
2位 木村葵来 173.33点
3位 木俣椋真 169点
4位 長谷川帝勝 146.33点
7位 荻原大翔 86.34点

【女子ビッグエア 結果】

1位 村瀬由徠 185.33点
2位 鈴木萌々 179.34点
3位 森井姫明麗 163点


 

五輪は終わった。だが、次の五輪への時計はすでに刻まれている。
兄弟、姉妹という物語性を超え、日本スノーボード界は確実に“次の金”へ向けて走り出している。