パッキャオ「本気で終わらせたい」 “世紀の続編”はなぜ実現したのか・・・沈黙を破ったのは、挑戦者のほうだった。

2026.2.26

元6階級制覇王者のマニー・パッキャオ(47)が、米スポーツ専門局ESPNのインタビューで明かしたのは、11年越しの因縁の内実である。

対するは、無敗の元5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(48)。

両者が再び拳を交えるのは、2015年5月の“世紀の一戦”以来となる。

再戦は9月19日(日本時間20日)に予定されている。階級やラウンド数といった詳細は伏せられたままだが、パッキャオの言葉からは、この試合が単なるノスタルジー興行ではないことが伝わってくる。


 

▪️エキシビションでは意味がない!!

「彼は以前、自分とのエキシビションを望んでいた。でも私はエキシビションで戦いたくなかった。本気の戦いがしたかった」

パッキャオは、再戦交渉の水面下をこう振り返った。

メイウェザーは2017年に引退後、エキシビションマッチを軸にリングに立ち続けてきた。4月には元統一世界ヘビー級王者のマイク・タイソン(59)とのエキシビションも控える。だが、パッキャオが求めたのは“見せ物”ではなく、“記録に刻まれる勝敗”だった。

そこに、この再戦の本質がある。

ボクシングはビジネスであると同時に、記録の競技でもある。50戦無敗という完璧な履歴書を持つメイウェザーに対し、パッキャオは明確な言葉で宣言する。

「彼のプロ記録に残る唯一の黒星を、自分が刻みたい。誰に敗れたのか、一生忘れられないように」

挑発というより、むしろ“執念”に近い。

 

▪️11年前の「言い訳」について

2015年の初対戦は、世紀のメガファイトと呼ばれ、莫大なPPV売上を記録した。しかし内容は、メイウェザーの技巧が光る一方で、パッキャオの爆発力は影を潜めた。

試合後、パッキャオは右肩を負傷していたと告白。これに対し、メイウェザー陣営は「負け惜しみだ」と一蹴した。

あの一件は、単なるコンディション論争にとどまらない。敗者の“物語”が否定された瞬間でもあった。

そして今、パッキャオは静かに言い切る。

「もう言い訳ができないことを願っている。あれから11年経ったが、私はまだ戦える。まだ若いと感じている。何も変わっていない」

47歳という年齢は、アスリートとしては決して若くない。それでも彼は「衰え」を語らず、「証明」を口にする。

この再戦は、単なるリベンジマッチではない。

エキシビションで資産を築き続ける無敗王者と、あくまで公式戦での決着を求める元王者。そこには、ボクシングという競技に対する哲学の違いが横たわる。

再戦が実現した背景には、興行的価値も当然ある。

だが、パッキャオの発言を追う限り、彼の動機はよりシンプルだ。

「本気で終わらせたい」

11年の時間は、因縁を風化させるには十分だったはずだ。

それでもなお、リングの中央で向き合うことを選んだ両者。

“世紀の一戦”の続編は、

栄光の上書きか!?

それとも無敗神話の崩壊か!?


【文:高須基一朗】