Wolt 日本市場から撤退へ ウーバーの牙城崩せず…6年の挑戦に幕
【©️Wolt】
フィンランド発のフードデリバリーサービス「Wolt(ウォルト)」が、日本市場から撤退する。運営元は2月25日、日本でのサービスを2026年3月4日をもって終了すると発表した。翌5日以降はウェブサイトおよびアプリからの注文ができなくなる。
▪️アジア初進出も、王者ウーバーに届かず
Woltは2014年にフィンランド・ヘルシンキで創業。
青を基調としたブランドイメージと丁寧な配達体験を武器に欧州を中心に拡大し、2022年には米フードデリバリー大手のDoorDashが買収を完了。
グローバル戦略の一翼として日本事業も展開してきた。
日本では2020年3月、広島市を皮切りにサービスを開始。
アジア初進出の地として注目を集め、都市部を中心にエリアを広げてきた。
しかし、日本市場にはすでに圧倒的な存在感を放つUber Eatsが根を張っており、シェア争いで決定的な差を覆すことはできなかった。
業界関係者の間では「ユーザー獲得競争で後手に回った」「配達員確保と広告投資の規模で差がついた」といった声もある。Woltは独自色を打ち出しながらも、日本における“ウーバーの一強”の構図を崩すには至らなかった形だ。
▪️淘汰進むフードデリバリー市場
日本のフードデリバリー市場は、コロナ禍で急拡大した一方、その後は競争激化と収益性の課題が浮き彫りとなっている。
ドイツ系のfoodpandaは2021年末に日本撤退を発表。
参入から約1年半で事業を終了した。
スタートアップのChompyも2023年5月にデリバリーから撤退し、飲食店向けモバイルオーダー事業へ転換している。
現在、国内で継続展開する主なサービスはUber Eatsのほか、出前館、menuなど。だが、利用者数・認知度の面でUber Eatsが先行している状況は変わらないとみられる。
▪️新勢力も参入、だが競争は熾烈
一方で、新規参入の動きもある。
韓国EC大手Coupangの完全子会社CP One Japanは、フードデリバリーアプリ「Rocket Now(ロケットナウ)」を2025年4月から東京都内の一部地域で開始。配達料・サービス料無料を掲げ、攻勢を強めている。
しかし、巨額投資が必要とされるデリバリー事業で、どこまでシェアを奪えるかは未知数だ。Woltの撤退は、日本市場における競争の厳しさをあらためて示す事例といえるかもしれない。
▪️DoorDashも複数国から撤退
DoorDashは今回の発表とあわせ、DeliverooおよびWoltブランドについて、カタール、シンガポール、日本、ウズベキスタンから撤退する方針を明らかにした。
もっとも、同社は財務見通しへの影響は限定的としている。
“青いバッグ”で親しまれたWoltの日本挑戦は、約6年で幕を閉じる。
拡大一辺倒の時代が終わり、選別のフェーズに入ったフードデリバリー市場。最終的に勝ち残るのはUber一択なのか—。
今回の撤退は、その市場マーケットの現実を浮き彫りにしたと言える。


