7300万ポンドの“賭け”はなぜ外れたのか!?マンU、サンチョをフリー放出へ・・・補強戦略の転換点に
マンチェスター・ユナイテッドが、かつての目玉補強と決別する決断を下した。
FWジェイドン・サンチョ(25)を今季限りでフリー移籍とする方針を固め、保有する1年間の契約延長オプションも行使しない見通しだという。巨額投資の“清算”は、クラブの補強戦略そのものを映し出している。
▪️ドイツのドルトムントでの絶頂・・・そして高額移籍
サンチョはボルシア・ドルトムント在籍時、圧倒的な個人技と得点関与能力で欧州屈指の若手アタッカーへと成長。ブンデスリーガで二桁得点・二桁アシストを記録するシーズンを重ね、市場価値は急騰した。
その才能に目を付けたユナイテッドは2021年夏、約7300万ポンドを投じて獲得。再建途上にあった名門にとって、サンチョは“未来への投資”であり、攻撃再構築の象徴でもあった。
▪️プレミア適応の壁と構想外
だが、プレミアリーグの舞台で期待は現実へと変わる。スピードと対人守備の強度が求められる環境の中で、サンチョは安定した存在感を示せなかった。
ユナイテッドでの公式戦通算成績は83試合12ゴール6アシスト。数字以上に、試合を決定づける場面でのインパクト不足が指摘され続けた。監督交代や戦術変更の波にも乗り切れず、次第に序列は低下。2024年冬以降は完全に構想外となり、レンタル移籍を繰り返すことになる。
古巣ドルトムント復帰を経て、チェルシー、そして今季はアストン・ヴィラへ。だがヴィラでも公式戦25試合で1ゴール1アシストと、復活を強く印象づけるまでには至っていない。
▪️なぜフリーでの放出なのか??
サンチョの契約は今季で満了する。
ユナイテッドは1年間の延長オプションを持つが、英・サッカー専門誌での記事によれば、これを行使せずフリー移籍を容認する決断を下したという。
当初はオプションを発動し、来夏の移籍市場で移籍金を得る“出口戦略”も検討されていた。しかし、
・高額年俸の継続負担
・完全移籍交渉が再び不成立に終わるリスク
・財務バランス改善の必要性
といった要素を総合的に判断し、「損切り」を優先した形だ。帳簿上の評価損を確定させてでも、固定費を圧縮する道を選んだことになる。
▪️補強戦略の転換点
サンチョのケースは、近年のユナイテッドが抱えてきた課題を象徴する。
・高額移籍金+高年俸
・市場価値先行型の獲得
・戦術的フィットの検証不足
現在のクラブは、より持続可能な補強モデルへの転換を模索しているとされる。若手発掘型、データ主導型、給与体系の整理。サンチョの放出は、単なる一選手の去就にとどまらず、クラブ経営の方向性を示すサインとも言える。
▪️それでも25歳、再起の可能性は残る
とはいえ、サンチョはまだ25歳。ドルトムント時代に示した創造性と突破力は、決して過去の幻ではない。移籍金ゼロという条件は市場にとって魅力的であり、給与条件が調整されれば争奪戦に発展する可能性もある。
キャリアは停滞したが、終わったわけではない。
7300万ポンドの物語は、失敗談で幕を閉じるのか。それとも再起の序章となるのか。

