朝倉未来選手、1R衝撃パウンドKO負けで王座戴冠ならず 担架搬送の結末に漂う“挑戦の終着点” 無敗王者シェイドゥラエフの壁は高く

2025.12.31

【©️RIZIN FF】

2025年12月31日、さいたまスーパーアリーナで開催された「RIZIN 師走の超強者祭り」。メインイベントのRIZINフェザー級タイトルマッチで、挑戦者・朝倉未来は無敗の現王者ラジャブアリ・シェイドゥラエフに1ラウンド、パウンドによるKO負けを喫し、悲願の王座戴冠は再び持ち越しとなった。


 

試合後、朝倉は大きなダメージを負い担架で搬送。

2025年大みそか、“路上の伝説”が背水の覚悟で臨んだ最後の大一番は、

あまりにも残酷で衝撃的な結末を迎えた。

試合前、朝倉選手は「もう覚悟は決まっている。本当にやることをやってきた」と自信をにじませていた。

無敗王者を前にしても「俺なら勝てると思っている」と言い切り、

榊原信行CEOも「何かが起きる可能性を感じる」と語るなど、

会場には“番狂わせ”への期待が漂っていた。

しかし、ゴングが鳴ると王者の圧力は想像以上だった。

組みの展開から主導権を握ったシェイドゥラエフは、

グラウンドで朝倉未来選手を完全にコントロールし、

容赦ないパウンドを連打。防戦一方となった朝倉未来選手は

反撃の糸口を見いだせず、一方的に殴られるだけの展開となり、

レフェリーが試合を止めた。

特に懸念されるのは、倒れた状態で受け続けたパウンドの衝撃だ。

MMAにおいては、ここまで強い打撃で頚椎への強い負荷につながるケースには、

最悪の場合は下半身麻痺など深刻な後遺症を引き起こす危険性もある。

現時点で重大な負傷が公表されているわけではないが、

担架搬送という事実が、試合の激しさを物語っている。

 

斎藤裕選手、ヴガール・ケラモフと、

過去2度の王座決定戦で涙をのんできた朝倉未来選手。

2024年夏の平本蓮選手との戦いでのKO負け後には

一度引退を示唆したものの、2025年に入り“逆襲”を宣言。

前王者・鈴木千裕選手、宿敵クレベル・コイケと連勝で

この舞台までたどり着いた。

だが、3度目の挑戦も届かなかった。
この敗戦は、単なる黒星以上の意味を持つ可能性がある。

王座への挑戦を重ねてきた朝倉未来選手の物語は、

ここで一つの区切りを迎えたと言っていい。

RIZINでの通算成績は13勝5敗。

格闘技界の象徴的存在として、2026年をどう迎えるのか。

再起か、続行か、それとも新たな道か―。
今、最優先されるべきは勝敗ではなく、身体の回復だ。