【RIZIN】扇久保博正選手が激闘制しフライ級王座戴冠 元谷友貴選手も魂の挑戦、死闘は名勝負に

2025.12.31

【©️RIZIN FF】

格闘技イベント『RIZIN師走の超強者祭り』が31日、さいたまスーパーアリーナで行われ、第13試合のフライ級タイトルマッチは、扇久保博正選手と元谷友貴選手、両雄の意地と技術が激突する壮絶な一戦となった。


 

5分3Rの王座決定戦は、終始一瞬も目が離せない攻防の連続。最終的に判定3-0で扇久保が勝利し、新フライ級王者に輝いたが、勝敗以上に両者の覚悟が刻まれる名勝負だった。

トーナメントを勝ち上がり「今が人生で一番強い」と語ってきた扇久保は、1Rから冷静なディフェンスと的確な打撃で主導権を握る。元谷の鋭いパンチを巧みにさばきながら、左フックやアッパーで有効打を重ね、試合の流れを作った。

一方の元谷選手も一歩も退かない。

ATT仕込みのプレッシャーと粘り強さで前進を続け、2R以降はタックルを織り交ぜながら局面打開を狙う。顔面を血に染めながらも攻める姿勢を崩さず、王座に懸ける執念をリング上で体現した。

最終3R、元谷は意地のテイクダウンを奪いにいくが、扇久保選手はそこから冷静に脱出。立ち上がっての右アッパーで反撃し、終盤の打ち合いでも集中力を切らさなかった。両者が最後まで全力を出し切り、試合は判定へと委ねられた。

結果は扇久保選手が満場一致の判定勝利。

ベルトと優勝賞金2000万円を手にした新王者は、「一番そばで支えてくれた妻に感謝しています。フライ級王者として、この階級をもっと盛り上げていきたい」と静かに喜びを語った。

敗れた元谷選手もまた、その勇敢な戦いぶりで観客の心を揺さぶった。

勝者と敗者が明確に分かれても、両者の価値が等しく称えられる―

そんなRIZINらしいフライ級の名勝負が、年の瀬の大舞台で誕生した。