福岡大大濠、接戦を制する勝負強さ 鳥取城北の反撃を封じ3年連続決勝へ【ウインターカップ男子】

2025.12.28

【©️SoftBank ウインターカップ2025】

ウインターカップ男子準決勝で、福岡大大濠(福岡)が

全国総体王者・鳥取城北(鳥取)との激戦を制し、

3年連続の決勝進出を決めた。

試合巧者ぶりと終盤の勝負強さが際立つ一戦だった。


 

立ち上がりは、鳥取城北がフィジカルの強さを前面に押し出し、主導権を握った。

インサイドを起点とした力強い攻撃で先行を許した福岡大大濠だったが、第1クオーター中盤に早くも修正を施す。

吉岡陽(3年)を起点にテンポを引き上げると、速攻と外角シュートがかみ合い、怒涛の11連続得点。流れを一気に引き寄せ、試合の主導権を奪い返した。エースの本田蕗以(2年)、白谷柱誠ジャック(1年)も積極的に3点シュートを放ち、

序盤のビハインドを確実に帳消しにした。

第2クオーターは、全国総体王者の意地を見せた鳥取城北が反撃に出る。

ハロルド・アズカ(3年)を中心にインサイドとアウトサイドを巧みに使い分け、点差を詰めていった。しかし福岡大大濠は、無理に突き放そうとはせず、試合のリズムを重視。本田と吉岡が要所で得点を重ね、流れを渡さなかった。

試合が大きく揺れ動いたのは第3クオーターだった。

鳥取城北が開始直後に3本連続の3点シュートを沈め、一時は逆転に成功。会場の空気が一気に傾きかけたが、福岡大大濠は慌てない。吉岡の連続得点で立て直すと、終了間際には栗原咲太郎(3年)がブザー直前に3点シュートを沈め、

わずかながらリードを奪って最終クオーターへ突入した。

 

第4クオーターは、互いに一歩も引かない消耗戦となった。

福岡大大濠は守備の強度を落とさず、無理な攻撃を避けながら冷静に時計を進める。鳥取城北も最後まで食らいついたが、決定打を欠き、3点差を埋めるには至らなかった。

福岡大大濠は今大会、1回戦から厳しい戦いを重ねてきた。延長にもつれた3回戦の開志国際戦を含め、接戦を勝ち抜く中で培ってきた終盤の判断力と修正力が、この準決勝でもはっきりと表れた。

全国総体では準々決勝敗退に終わったものの、U18トップリーグでは大会史上初の連覇を達成。安定した強さを背景に臨んだ今大会で、再び全国の頂点に手を伸ばす。決勝では福岡第一(福岡)と東山(京都)の勝者と対戦。派手さよりも確実性を重視する戦いぶりで、福岡大大濠は初の大会連覇まで、あと1勝に迫った。