【ウインターカップ2025 準々決勝】大濠、地力で4強入りも課題露呈 前半FT100%→後半失速、決勝への警鐘
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福岡大大濠 81―67 土浦日大(12月27日・東京体育館)
福岡大学附属大濠高等学校が土浦日本大学高等学校を
81―67で下し、準決勝進出を決めた。
白谷柱誠ジャック(23番)と本田蕗以(14番)を軸に主導権を握り、
試合巧者ぶりを発揮した一方で、前半は完璧だったフリースローが
後半に入って急激に精度を落とすという、
明日の準決勝を見据えれば看過できない課題も浮かび上がった。
■ 前半:主軸が機能、フリースローは“完璧”
立ち上がりから大濠は安定した試合運びを見せた。
インサイドでは23番・白谷柱誠ジャックが体を張ったプレーで20得点7リバウンド。アウトサイドとドライブを織り交ぜ、試合のリズムを掌握した。
さらに14番・本田蕗以が3Pシュート2本を含む15得点、6番・吉岡陽も12得点と続き、得点源が分散したのが大濠の強みだった。
特筆すべきは前半のフリースロー精度だ。ファウルを確実に得点へと結びつけ、前半は成功率100%。接戦になりかねない時間帯で取りこぼしがなく、精神的にも相手を押し下げた。
■ 後半:勝ちながらも露呈した「数字の不安」
しかし後半、試合が進むにつれて様相は変わる。
大濠は要所で加点しリードを保ったものの、フリースローの成功率が明らかに低下。最終的なチーム成績は19成功/28試投(67.9%)と、前半の完璧さを考えれば物足りない数字に落ち着いた。
内容的には勝利に直結する失敗ではなかったが、決勝のような1点を争う舞台では致命傷になりかねない。特に終盤、流れを完全に引き寄せきれなかった点は、数字が示す通りだ。
■ 土浦日大の抵抗と大濠の守備力
土浦日大は12番・渡部駆流が15得点、
23番・飯田渚颯がフリースローで粘りを見せ14得点。
最後まで食らいついたが、大濠のローテーション守備と
リバウンド(チーム55本)に阻まれた。
大濠にとって、決勝に向けた最大の修正点は明確だ。
・フリースローの再徹底
前半100%→後半失速という落差を埋められるかが最大の焦点となる。
・試合を“完全に締める”意識
勝っている時間帯こそ、細部(FT・リバウンド・ターンオーバー)への集中が問われる。
地力は間違いなく全国トップクラス。
その強さの裏に潜む“数字の綻び”を
修正できたとき、大濠は真の完成形に近づく。
