【ウインターカップ準々決勝】東京代表の八雲学園5番の川名漣が前半からゲームを支配、一関学院を64―52で退ける

2025.12.26

【©️SoftBankウインターカップ2025】

ウインターカップ準々決勝は12月26日、東京体育館で行われ、

東京都代表・八雲学園高等学校が

岩手県代表・一関学院高等学校を64―52で下し、準決勝進出を決めた。
この試合で、開始直後から流れを作り出したのが、

八雲学園の背番号5・川名漣(かわな・れん)だった。


 

■立ち上がりからボールが集まる5番

前日の試合とは様相が一変し、八雲は序盤から川名漣を起点に攻撃を展開。
積極的にボールに関与し、アタックを選択する姿勢がチームに勢いをもたらした。

フェイドアウェイのミドルシュートを沈めると、続く守備ではスティールから一気に持ち込み、カウントシュートにフリースローを沈める3点プレー。
開始3分半で一関学院が無得点という展開を作り、試合の流れを完全に掌握した。

 

■「今日は5番の日」 象徴的だったブザービーター

八雲が18―4とリードを広げた第1クォーター終盤、川名は再び存在感を示す。
一関学院の反撃ムードが出かけた場面で、ブザービーターとなるミドルシュートを沈め、20―10で第1クォーターを締めた。

攻めるべき場面で迷いなく打ち切る姿勢。
このプレーは、「この日の主役が誰であるか」を強く印象づけるものだった。


 

■第2クォーターも衰えぬ攻撃性と集中力

第2クォーターに入っても、川名の積極性は変わらない。
左45度からのミドルシュートを高確率で沈め、

外した直後には自らオフェンスリバウンドを奪取。
再び同じ位置から決め切るなど、集中力と勝負勘の高さを見せつけた。

単なる“運”ではなく、躊躇なくシュートを選択できる判断力が、

一関学院のディフェンスを後手に回らせた。


 

■7番・加藤唯花と4番・松崎菜緒の“つなぎ役”

派手さこそないが、試合を安定させたのが、背番号7・加藤唯花と背番号4・松崎菜緒の存在も、この日は良かった。
前半は加藤がボールを回し、後半は松崎が冷静にゲームをコントロール。
攻守の切り替え、スペーシング、ファウルを恐れないアタックと、要所で確実な仕事をこなした。

この2人の安定感があったからこそ、

川名とテウが持ち味を最大限に発揮できたと言える。


 

■6番・田中椎紗、要所で光った仕事量

背番号6・田中椎紗は得点こそ2点にとどまったが、スクリーン、ヘルプディフェンス、ルーズボールへの反応など、数字に表れない部分で大きな貢献を果たした。
相手ビッグマンに体を張り続けた姿勢は、チームの守備強度を最後まで落とさなかった。また、終盤に投入された背番号11・吉村彩里も、限られた時間ながら落ち着いたハンドリングと判断力を披露。
リードを守る局面でミスを出さず、試合を締める役割を果たした。

 

■「走れる」八雲の強さ

後半に入ると、八雲の真骨頂であるトランジションが本領を発揮。
走り合いになると強さを見せ、7番の速攻に9番が連動するなど、

全員が共通理解を持った攻撃でリードを拡大した。

一関学院がメンバー交代に苦しむ中、八雲は最後まで運動量を落とさず、

試合をコントロールし続けた。

 

■数字以上の価値を生んだ総合力

川名はこの試合、15得点、12リバウンド、6アシストを記録。
得点だけでなく、オフェンスリバウンド、ボール配給、試合終盤の落ち着いた判断と、あらゆる局面でチームを支え続けた。

第4クォーター終盤には首を痛めて倒れ込む場面もあり、

会場が一瞬騒然としたが、大事には至らずコートに立ち続けた姿も、

勝利への執念を感じさせた。

 

■エースを支えた“前半の支配者”

35得点を挙げた背番号9・テウ・アダマの爆発は圧巻だったが、

その土台を作ったのは、前半を完全に支配した川名漣の存在とも言える。

試合の流れを読み、攻めるべきところで攻め切る。
守備とリバウンドでリズムを切らさない。

八雲学園が準決勝へ駒を進めた最大の要因は、
背番号5・川名漣が、試合開始から“温度”を握り続けたことと言えるだろう。