MSGが揺れた聖夜の大逆転!“魅せる集団”ニックス、17点差を飲み込みクリスマスゲームを制圧
【©️New York Knicks】
ニューヨークの夜が、歓喜と熱狂に包まれた。
現地時間12月25日(日本時間26日)、
NBAの伝統行事「クリスマスゲーム」で、
ニューヨーク・ニックスが本拠地マディソンスクエア・ガーデンに
クリーブランド・キャバリアーズを迎え撃ち、
最大17点差を跳ね返す劇的な逆転勝利を飾った。
試合は一進一退の攻防で幕を開け、ニックスは前半を60―58と僅差のリードで折り返す。しかし第3クォーター、キャブズの猛攻を受けて主導権を奪われると、第4クォーター残り10分26秒でスコアは86―103。会場に一瞬、重たい空気が漂った。
それでも、この日のニックスは“諦める”という選択肢を持たなかった。
ベンチから送り出される選手たちが次々と流れを変え、
ディフェンスの強度とテンポを一気に引き上げる。
残り8分を切っても16点差という厳しい状況だったが、
MSGのボルテージは逆に上昇。
歓声が背中を押すように、ニックスは一気に反撃に転じた。
そしてクライマックスは残り1分5秒。
エースのジェイレン・ブランソンが右ウイングから放った
3ポイントがネットを揺らし、ついに逆転。
会場は総立ちとなり、そのままニックスは主導権を譲らず、
126―124でクリスマスの主役に躍り出た。
ブランソンは6本の3ポイントを含む34得点に4アシスト、2スティールとエースの仕事を完遂。ジョシュ・ハート、ミケル・ブリッジズ、カール・アンソニー・タウンズも要所を締めたが、この夜のニックスを象徴したのは、間違いなく“ベンチの躍動”だった。
ジョーダン・クラークソンは25得点と爆発力を発揮し、タイラー・コーレックは16得点9アシストでゲームを操る。ミッチェル・ロビンソンはオフェンシブリバウンド8本を含む13リバウンドでゴール下を支配。スターターとリザーブが完全に噛み合い、「全員で勝ち取る」ニックスらしいバスケットを完成させた。
今季から指揮を執るマイク・ブラウンHCは試合後、「今日の勝利はベンチ陣のおかげだ。彼らが終盤に我々を有利な位置へ導いてくれた」と称賛。さらに「様々な混乱がある中で、選手たちは戦い続け、解決策を探し続けた。今シーズンで最高の勝利だったかもしれない」と、チームの成熟ぶりに目を細めた。
3年連続でクリスマスゲームを制したニックスは、21勝9敗でイースタン・カンファレンス2位。聖夜に見せたのは、単なる1勝以上の価値を持つ“団結力”と“演出力”だった。
主将ブランソンも、その夜をこう振り返る。
「僕らは戦い続けた。無理かもしれない瞬間もあったけど、タイラーやJC、ミッチの存在がすべてを変えた。全員でつかんだ勝利だ」
熱狂を生み、期待に応え、最後に必ず魅せる。MSGのクリスマスを最高の舞台に変えたニックスは、王座への階段をまた一段、確かに登った。


