ウインターカップ3回戦 八雲学園、終盤の完成度で福島東稜を突き放す 後半逆転でベスト16進出

2025.12.25

【©️SoftBankウインターカップ2025】

高校バスケットボールの冬の祭典「ウインターカップ2025」は

12月25日、東京体育館で女子3回戦が行われ、

東京都代表の八雲学園高等学校が

福島県代表・福島東稜高等学校を65―55で下して4回戦進出を決めた。

大会3日目、両校にとってはこの日が3試合目。

立ち上がりは互いに脚の重さが見え、テンポは上がらない。

しかし、勝ち上がってきたチーム同士ならではの緊張感が、

次第にコートの強度を引き上げていった。


 

▪️福島東稜が主導権、八雲は追う展開

第1クォーターは福島東稜が先行する。78番オサイ・フェイヴァ・チノエのインサイドを起点に得点を重ね、八雲の速攻を抑え込みながらリードを確保。八雲はエースの9番テウ・アダマがフェードアウェイやドライブで応戦するも、前半は福島の運動量とリバウンドへの執念に苦しめられた。

それでも八雲は、5番・川名漣の献身的なロールプレー、6番・田中椎紗の速攻参加で少しずつ点差を詰める。第2クォーター終盤、4番・松崎菜緒のレイアップで同点に追いつき、28―28で試合を折り返した。

▪️第3Qも福島ペース、それでも崩れない八雲

後半立ち上がりも流れは福島。23番・佐藤ノエルの3ポイント、78番のインサイドで再びリードを奪う。八雲は連動性を欠き、単発のシュートに終始する場面も目立ったが、大きく崩れなかった点がこの試合の分岐点だった。

要所で9番テウが得点を重ね、5番の再投入で守備が安定。

42―41と1点差まで詰め寄り、勝負は最終クォーターへもつれ込む。

 

 

▪️最終Q、完成度の差が明確に

勝負を分けたのは第4クォーターだった。八雲は9番テウの得点で逆転すると、4番松崎が攻守両面で存在感を発揮。強度が一段階上がる時間帯で、確実に自ら打開する姿は、2回戦に続く“八雲の勝ちパターン”だった。

さらに6番田中の3ポイントが炸裂し、流れは完全に八雲へ。

途中、9番がファウルを受けて負傷する場面もあったが、

10番・川名美羽が短い出場時間でスティールから得点を奪うなど、

ベンチワークも機能した。

残り2分40秒で58―48と二桁に近いリードを奪うと、

その後は冷静なボール運びで試合をクローズ。65―55で逆転勝利を収めた。

 

▪️エースの支配力、終盤の試合巧者ぶり

八雲は9番テウ・アダマが33得点23リバウンドと圧巻のスタッツを記録。加えて、4番松崎、6番田中といった主力が終盤に確実な仕事を果たし、「後半で勝ち切る」完成度の高さを示した。

一方の福島東稜は、78番を中心に最後まで粘り強く戦ったが、終盤の決定力で及ばなかった。

試合巧者ぶりが際立った八雲学園。連戦の疲労が見える中でも、最後にギアを上げる力は、上位進出を狙うチームとして確かな説得力を持っていた。