シェイドゥラエフ陣営に走った衝撃―“鉄壁”と見られた盟友が1R失神KO負け 大晦日フェザー級戦線に生じた微妙な変化
【©️PANCRASE】
12月21日、東京・立川ステージガーデンで開催された『PANCRASE 360』フェザー級タイトルマッチは、下馬評を大きく覆す結末となった。
“キルギスの脅威”として注目を集めていたカリベク・アルジクル・ウールが、
挑戦者の栁川唯人選手に1ラウンドKO負け。しかも失神するほどの完璧な一撃だった。
カリベクは、RIZINフェザー級王者ラジャブアリ・シェイドゥラエフの練習仲間として知られ、キルギス勢の中でも中核を担う存在。
戦績は13勝1敗で、井村塁選手やISAO選手といった日本の強豪をKOで沈めてきた実績を持つ。そのため試合前の評価は、圧倒的に王者寄りだった。
実際、試合序盤はその下馬評を裏付ける展開となる。カリベクはテイクダウンを奪い、トップポジションから強烈なパウンドを落として栁川選手を追い込んだ。
しかし、スタンドに戻った瞬間、流れは劇的に変わる。
細かなステップで距離を作り、カーフキックでリズムを刻んだ栁川選手は、
わずかな隙を見逃さず右ストレートを打ち抜いた。
カリベクはその場で崩れ落ち、レフェリーが即座に試合をストップ。
1ラウンド2分47秒、まさに“一撃で評価が塗り替えられた”瞬間だった。
この結果は、単なるパンクラスのタイトル交代以上の意味を持つ。
カリベクは単なる挑戦者ではなく、「シェイドゥラエフ陣営の象徴的存在」だったからだ。
RIZIN大晦日大会では、シェイドゥラエフが朝倉未来選手を迎え撃つフェザー級タイトル戦が控えている。盤石と見られていたキルギス勢が、日本人選手のワンパンで崩れた事実は、“絶対王者ムード”に小さなヒビを入れたと言えるだろう。
一方、栁川選手はこの勝利で一躍脚光を浴びた。
試合後には「自分を信じていた」「目標はUFC。ショートノーティスでも行きたい」と語り、世界最高峰への挑戦に強い意欲を示した。

