スパーズ選手層の厚さ“エース不在でも強さ”を証明 NBAカップ準々決勝でレイカーズを撃破
【©️San Antonio Spurs】
NBAカップ準々決勝が10日(日本時間11日)、
クリプト・ドットコム・アリーナで行われ、
サンアントニオ・スパーズがロサンゼルス・レイカーズを
132―119で下しベスト4(準決勝)へ駒を進めた。
エースのビクター・ウェンバンヤマを欠く状況でも失われない
「スパーズ・バスケットボール」が、この夜のコートを支配した。
■ ウェンバンヤマ不在でも盤石 ポポビッチの哲学が体現された40分
主導権は立ち上がりからスパーズにあった。
スター不在の穴を“個”ではなく“全員バスケ”で埋める──ポポビッチHCの哲学が徹底され、攻守の切り替え、ボールムーブ、守備ローテーションすべてでレイカーズを上回った。
ルカ・ドンチッチやオースティン・リーブスら相手の主力を次々と封じ込め、試合の流れを一度も譲らない。
攻撃では各選手が迷いなくボールを動かし、数的優位をつくった瞬間に一気にフィニッシュ。まさに「スパーズらしい」理想形が随所に見えた。
■ 最大24点差を構築 “穴のないロスター”が光る
前半からスパーズのテンポは軽快で、第3クォーターには最大24点差までリードを広げた。
特定選手に依存しない分、誰が出ても強度が落ちない。「スター不在でも強い」を象徴するように、ベンチ陣も的確に役割をこなし、レイカーズの反撃を何度も粉砕した。
■ レイカーズが猛追も最後に揺るがなかったのはスパーズ
終盤、レイカーズはマーカス・スマートの3ポイント連発で追い上げ、残り3分54秒で8点差まで接近。しかし焦りひとつ見せなかったのがスパーズだ。
ディフェンスローテを立て直し、レイカーズの勢いを見事に吸収。
そこから再び“全員で攻め、全員で守る”姿勢を徹底し、最後は確かなチーム力で試合を締めた。
■ スパーズ、NBAカップの“台風の目”に
ウェンバンヤマ不在でも崩れない戦術的完成度、そして選手全員がリズムよく噛み合う攻撃力──。
今季のNBAカップで、スパーズは明らかに“ただのダークホース”ではなくなりつつある。
この日の勝利は、彼らがトーナメントの本命に名乗りを上げたことを象徴する一戦となった。
レイカーズは最終Qで粘りを見せ、八村塁は限られたチャンスを効率よく8得点にまとめたものの、試合の趨勢を変えるには至らなかった。

