通算得点10位に到達したハーデン“個人栄光”の裏で深まるクリッパーズの迷走
2025.12.8
【©️Houston Rockets /James Harden】
ロサンゼルス・クリッパーズが苦境を抜け出せない。12月7日(現地時間6日)に行われたミネソタ・ティンバーウルブズ戦で106−109と競り負け、チームは2連敗。8日終了時点でウェスタン・カンファレンス14位の6勝18敗と、下位に沈んでいる。
プレーイン圏内の10位ポートランド・トレイルブレイザーズとは3.0ゲーム差。巻き返しの兆しが見えないままでは、3シーズン続いていたプレーオフ出場も途絶える危険が高まっている。
そんななか、ジェームズ・ハーデンが個人としては節目を迎えた。
ウルブズ戦でゲームハイの34得点を挙げ、通算得点を2万8303に更新。
カーメロ・アンソニーを抜き、歴代10位に浮上した。
「ありがたいね。自分がこれまで積み上げてきた努力の証だ」
試合後、ハーデンは記録達成の喜びを口にした。しかし、今のクリッパーズが必要としているのは“個人の勲章”よりも、“勝利を引き寄せるチーム力”の再構築だ。
今季のハーデンは平均26.8得点、8.3アシストと高い数値を残し、得点はここ6年で最も高い。しかし、個人成績の向上とは裏腹に、チームは勝ち星を積み上げられていない。ベテランスターの奮闘すら勝利に直結しない現状は、組織としての停滞を映し出している。
あと294得点でシャキール・オニール(2万8596得点)を抜けば歴代9位にも届く。
今季のペースなら到達は時間の問題だ。だが、ハーデンが歴代トップスコアラーの仲間入りを進めていく一方で、クリッパーズは“個人成績だけが積み上がるチーム”へと変質しつつあるようにも見える。

