【NBA】Prime解説者ブレイク・グリフィン氏 “古巣クリッパーズの乱暴な決断”に苦言

2025.12.7

「組織は勝敗の前に“人の扱い方”で語られる」元エースが強い失望

クリッパーズがクリス・ポールを戦力構想から外し、

事実上チームに帰宅を命じた一件がリーグを揺らしている。
その渦中で口を開いたのは、現在はPrime VideoのNBA解説者として

人気を集めるブレイク・グリフィンだ。

かつて“ロブ・シティ”を象徴した一人であり、ポールを知る数少ない元同僚でもある。

アトランタでファンから「クリス・ポールはどこへ行った?」とのチャントを浴びながらも、クリッパーズは115–92で勝利し連敗を5でストップ。

だが、その裏で起きているのは単なる戦術変更ではなく、

組織文化が問われる問題だとグリフィンは指摘する


 

▪️Prime Videoスタジオでグリフィン氏は明確に語った

「正直、失望した。ショックという言葉では足りない」

番組内での彼の語気は強かった。

感情的というより、長年NBAを見続けてきたベテランとして、そして今は“外側からリーグを見つめる解説者”としての落ち着いた批評だった。

「クリス・ポールは僕とディアンドレ(ジョーダン)が若手だった頃に来て、勝つための文化そのものを作った。どう戦い、どう体をケアし、どうプロとして振る舞うか。それを彼は誰よりも体現していた」

「そんな彼がクリッパーズに戻ったのは、最後の挑戦だったはずだ。だが今回の扱いは・・・ただ残念だよ」

「タロン・ルーとも、バルマーともコミュニケーションがなかった」

グリフィンは現在もポールと密に連絡を取っているという。

「僕は昨日も今日も彼と話した。驚いたのは、タロン・ルーとの対話がなかったこと。そしてスティーブ・バルマーとも一切やり取りが無かったことだ。これには本当に失望した」

その言葉は、かつて自らがSNSで突然トレードを知った“裏切りの記憶”とも重なる。

 

▪️古巣への苦い記憶がよみがえる

2018年、クリッパーズはチーム再編のため、スーパーマックスを結んだばかりのグリフィンをピストンズへ電撃トレードした。
“チームの顔”だった彼への事前通達はゼロ。
その決断の中心にいたのはアドバイザーのジェリー・ウェストだった。

当時の苦い経験から、グリフィンはクリッパーズの「人の扱い方」について疑問を抱き続けていた。だからこそ、今回のポールの件が過去の傷を再び浮き彫りにしたのだ。

ピストンズ移籍後、初めて古巣アリーナを訪れた際、バルマーが差し出した握手を無視して通り過ぎたシーンは、ファンの間で“象徴的な瞬間”として語り継がれている。

 

▪️結局のところ評価を決めるのは、どんなアリーナを作るかじゃない

グリフィンは最後に静かに、しかし強い言葉を残した。

「新しいアリーナを建てて、ファンが熱狂しても─結局チームの価値は“リスペクト”の上に築かれる。人をどう扱うかで、その組織の評価は決まる。

クリスは正当に扱われただろうか?…僕はそうは思わない。言葉が出ないよ」

Prime Videoでの彼は、軽妙なトークと知的な分析で人気を得ている。

だが、この一件では元エースとしての誇りと痛みがにじんだ。
その声はクリッパーズが掲げる“勝利”よりも重く、

組織の在り方そのものを問う警鐘となっている。