巨人・オコエ瑠偉選手が“異例”の自由契約へ 球団が構想外ではなく「環境再挑戦」を後押し 背景に見える28歳のキャリア再設計

2025.11.28

読売巨人軍は28日、オコエ瑠偉外野手(28)を自由契約とすると発表した。

契約打ち切りによる退団ではなく、球団と本人が複数回にわたり話し合いを続けた上で、「新たな環境での再挑戦」を支援する形での合意に至ったという。国内外の球団移籍を前提とした“前向きな自由契約”は、NPBでは極めて異例だ。


 

■球団が示した“キャリア再構築”の提案

球団によると、シーズン終了後からオコエ選手と来季の起用について協議を重ねた結果、「海外リーグを含め、より出場機会を得られる環境で成長を図ることが望ましい」と双方が判断。

11月末に提出する全保留選手名簿に掲載しない方針を決め、自由契約という形を選んだ。

球団側は「現役続行に向け最大限サポートする」とし、単なる構想外ではなく“送り出す”姿勢を強調している。

■阿部監督もエール「感謝の言葉ばかりだった」

球団納会後、阿部慎之助監督は「さっき本人とも連絡を取り、『頑張ってほしい』と伝えた。オコエ選手からは感謝の言葉ばかりだった」と語った。

また吉村CBOも「海外を含めて新しい場所で挑戦したいという本人の意思を尊重した。国際部としてもできる限り支援する」と説明し、円満退団である点を繰り返した。

■オコエ瑠偉選手「成長した姿を見せられるよう挑戦」

オコエ選手は球団を通じて「海外野球を含め、他チームへの挑戦を認めていただいた。3シーズン応援していただいたファン、監督、コーチ、チームメート、スタッフの皆さまに感謝しています。成長した姿を見せられるよう、チャレンジを続けたい」とコメントした。

 

■楽天ドラ1から巨人へ ケガと再起、そしてもう一度勝負へ

東京都東村山市出身のオコエ選手は、関東第一から2015年ドラフト1位で楽天に入団。高い身体能力と将来性で注目を集めたが、2021年に左膝手術を受けた影響もあり出場機会が減少。2022年オフの現役ドラフトで巨人へ移籍した。

巨人移籍2年目の今季は61試合出場、打率.246、0本塁打、5打点。通算成績は406試合で打率.230、14本塁打、68打点。
大きな可能性を秘めながらも波のあるキャリアを歩んできた28歳が、プロ10年目を前に活路を新たな形求める事となった。

 

■“自由契約で再挑戦”の先に何があるか

今回の決断は、球団の構想から外れたのではなく、出場機会を求める本人の意志を尊重し、巨人側が背中を押したものだ。国内移籍に加え、米国メジャーリーグへの挑戦も視野に入れることで、再び活躍の場を広げる狙いがある。