ジブリ「もののけ姫」がスーパー歌舞伎に!! 来夏・新橋演舞場で初舞台
市川團子がアシタカ、中村壱太郎がサンに挑む
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スタジオジブリの名作「もののけ姫」が、来年7~8月に
新橋演舞場でスーパー歌舞伎として上演されることが発表された。
主演は市川團子(21)と中村壱太郎(35)。
脚本は、舞台脚本の実力派・丹羽圭子氏と戸部和久氏の2人が分野を分けて手掛ける。
▪️スーパー歌舞伎を支えた技術の系譜
今回の公演では、スーパー歌舞伎の舞台技術を継承する戸部和久氏が脚本に美術・機構演出スタッフとして参加する。
和久氏は、スーパー歌舞伎の舞台設計における父・故戸部銀作氏(1935〜2006)の業績を引き継ぎ、現代に応用している。
戸部銀作氏は、新劇・歌舞伎・ミュージカルなど幅広い舞台で脚本・演出・美術を担当。
舞台転換機構や立体可動装置、早替わり支援機構などを開発し、1986年に市川猿翁(当時三代目市川猿之助)と共に「ヤマトタケル」を創作、“スーパー歌舞伎”の基礎を築いた。銀作氏の革新的な舞台設計は、以後のスーパー歌舞伎シリーズでも大きな影響を残した。
▪️次世代への技術継承
戸部和久氏は、スーパー歌舞伎II「ワンピース」や「新・三国志」、さらに「スーパー歌舞伎II ナウシカ」などの舞台で、映像と物理装置を融合させた表現に挑戦してきた。今回の「もののけ姫」では、森の神々や山犬たちの存在感を舞台上で再現するため、和久氏の技術が不可欠とされている。
▪️俳優たちの意気込み
アシタカ役の市川團子は、「祖父・二代目市川猿翁が掲げた『未来に生きる歌舞伎』の理念を、この作品で引き継ぎたい」と語る。壱太郎はサン役として、「スーパー歌舞伎の技術が、ジブリ作品の壮大な世界観と交わる瞬間を届けたい」と意欲を見せた。
スーパー歌舞伎は、早替わりや宙乗り、高速転換、映像融合などの舞台技術の発展とともに成長してきた。戸部銀作氏の技術思想を受け継ぐ戸部和久氏の手腕と、丹羽圭子氏の脚本による物語構成により、今回の「もののけ姫」は、ジブリ作品ならではの世界観を歌舞伎舞台で体感できる新たな挑戦となる。

