「鬼滅」無限城編がオスカー選考対象に!世界映画賞レースで日本作品が存在感

2025.11.25

【©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable】

映画界の最大級イベント、アカデミー賞に向けた動きが本格化している。

映画芸術科学アカデミーは21日(現地時間)、

主要3部門―長編ドキュメンタリー、国際長編映画、長編アニメーション―の

審査対象作品リストを公表。

ここに日本から複数タイトルが名を連ね、世界の賞レースで改めて存在感を示した。


 

注目を集めたのは北米でも興収記録を塗り替えた「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」が長編アニメーション部門へのリスト入り。

そして、社会現象を巻き起こしたと評される映画「国宝」の国際長編映画部門の審査対象としてエントリーしたことだ。

発表によると、今年のエントリー総数は長編ドキュメンタリー部門が201本、国際長編映画が86本、長編アニメーションが35本。米業界誌ハリウッド・レポーターは、例年以上に層が厚いと伝えている。

国際長編映画部門では、米国で「パラサイト 半地下の家族」を大成功へ導いた配給会社 Neon に注目が集まる。同社は今年、ノルウェー「Sentimental Value」、ブラジル「The Secret Agent」、韓国「No Other Choice」、スペイン「Sirat」、フランス「It Was Just an Accident」の計5作品を送り込み、いずれも有力候補として名が挙がっている。

 

特に「It Was Just an Accident」は、イラン出身の巨匠ジャファル・パナヒ監督によるパルムドール受賞作。イラン政府が国内事情を理由に別作品を提出したことで、フランスが代表作として登録するという“ねじれ”も話題を呼んだ。

一方、長編アニメーション部門では日本作品が改めて強さを示した。

「無限城編 第一章」は、日本映画として歴代最高興行収入を更新しただけでなく、米国でも外国映画として史上最高の興収を記録。2025年の年間興収ランキングで5位に入るなど、国境を超えた支持を獲得している。

ほかにも、Netflix の歴代最多視聴作品となった「KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ」、ナタリー・ポートマンが製作に名を連ねる「Arco」、ディズニー期待作「ズートピア2」など多彩なタイトルが候補に名を並べた。

対照的に、話題性がありながらリスト入りを逃した作品も少なくない。A24 の「ナタ 魔童の大暴れ」、ソニーの「パディントン 消えた黄金郷の秘密」、パラマウントの「劇場版スマーフ 時空大冒険」などは、提出が見送られたか資格を満たさなかったとみられる。

今後はアカデミー会員の投票によって絞り込みが進む。ドキュメンタリー賞と国際長編映画賞は12月16日にショートリストを発表。長編アニメーション賞はショートリストなしで直接ノミネート投票に移る方式だ。

最終ノミネートは2026年1月22日に発表される予定。