スラックライン 兄弟で頂点へ!GIBBON 日本オープン 圧巻のワン・ツーフィニッシュ

2025年11月16日、東京・世田谷区・二子玉川ライズにて開かれた
第15回 GIBBON 日本オープン スラックライン・チャンピオンシップ。
この最高峰のスラックライン大会で、栃木県出身の中村兄弟が偉業を成し遂げた。
【上記画像をタップする中村陸人選手のトリックライン動画が閲覧できます】

男子オープン部門において、17歳の兄・ 中村陸人選手が優勝、
そしてその弟・ 中村陸人選手(14)が準優勝という
兄弟ワン・ツーで競技史に名を刻んだ。

【兄:中村陸人選手】
陸人選手は決勝戦で、弟・拓志選手との熾烈な兄弟対決を制し、
得意の難易度の高い縦回転のコンビネーション技をコンビネーションで決め切って勝利を掴んだ。
拓志選手も流石の安定感で大技を次々に披露し、最後まで会場を沸かせた。
この結果により、兄弟揃って国内最高峰の舞台で“優勝・準優勝”を達成。
アーバンスポーツの一つであるスラックラインのトリックライン部門において、
兄弟対決・兄弟制覇というシナリオは珍しく、競技の歴史に新たなページを加えた。

主催者の小倉一男代表も「招待制で日本トップライダーを集めた大会で、兄弟がこうして頂点を争う姿はまさに“世界水準のドラマ”であった」とのコメントが発表された。
今後、両選手の次なるステージが注目される。
中村兄弟は、トリックラインの大会で、
ここ数年、数々のタイトルを総なめにしてきているが、来年、連覇に期待がかかる。
【そのほか各部門での競技結果】
▪️マスタークラス(30歳以上)
優勝:松本礼選手
準優勝:楠本忍選手
▪️ジュニアクラス
優勝:阿部真仕選手
準優勝:田口三華選手
▪️女子オープン
優勝:伊藤花音選手
準優勝:竹部栞桜選手
▪️男子オープン
優勝:中村陸人選手
準優勝:中村拓志選
GIBBON日本オープンの歴史を振り返る
スラックライン競技の国内最高峰イベントとして知られる
「GIBBON日本オープン」は、2025年に15回目の節目を迎えた。
2000年代後半、スラックライン文化が日本に浸透し始めた時期に誕生した本大会は、
選手たちの技術向上と競技人気の拡大に大きく寄与してきた。
▪️初期の開催
2009年に開催された第一回大会は、東京都・豊洲バディーで行われた。
当時はまだ競技人口も少なく、観客もわずかであったが、熱気あふれる競技環境と選手たちの情熱は、多くのスラックラインファンの心をつかんだ。
初代チャンピオンには、男子が我妻吉信選手と女子が加藤木友香選手。
翌年の第二回大会は浅草ROXに会場を移し、
都心のアクセスの良さと観光地としての魅力が融合。
トリックライン大会の参加者も100人規模に膨れ上がり知名度向上に大きく寄与した。
▪️中期の発展
大会は年を重ねるごとに競技レベルを引き上げ、国内外から注目を集める存在となった。
中期の大会では、国内トップ選手が続々と登場し、難度の高い技や斬新な演技が披露されるようになった。
また、GIBBONブランドによる安全対策や競技用具の改良も進み、
競技者と観客の双方に快適な大会環境を提供してきた。
▪️近年の進化
2015年代以降は、映像配信やSNSを通じて、
より多くのスラックラインファンに大会の模様が届くようになった。
若手選手の台頭も目立ち、国内外のトップ選手がしのぎを削る舞台として定着。
近年では、中村兄弟をはじめとする世界チャンピオンが次々に登場し、
観客を魅了している。
GIBBON日本オープンは単なる競技大会を超え、
スラックライン文化の発展に欠かせない舞台となった。
第一回大会の豊洲バディー、第二回大会の浅草ROXから始まった歩みは、
競技の普及、選手育成、ファンの拡大という形で現在の成功に結実している。
今後もGIBBON日本オープンは、次世代の選手たちにとって夢の舞台であり続けるだろう。
【文:高須基一朗】

