Burton×Red Bullスノーボードの“原点と未来”を映し出す『PAVED』圧倒的映像体験
©️ Red Bull/Burton
【瞬刊モッツ編集部/レビュー高須基一朗】
10月11日、都内・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われたワールドプレミアで、BurtonとRed Bull Media Houseが共同制作した長編スノーボードムービー『PAVED』が上映された。
本作は、スノーボードの“本質”を最も美しい形で描き出した映像作品と言える。
滑りの迫力だけでなく、
「仲間と雪山で過ごす時間」
「挑戦と成長の記録」
「自然と向き合う喜び」
が、繊細かつ雄大に映し出されていた。
■ 雪山をキャンバスに描く“魂のライン”
舞台はアラスカ州ヘインズの雪壁をはじめ、日本の深雪地帯、カナダ・ブリティッシュコロンビア、そしてタホの山々へと広がる。
白銀の世界に刻まれる一筋のラインには、単なるトリックの記録を超え、自然と対話しながら己を試すスノーボーダーたちの“哲学”が宿る。
監督のイアン・ダーキンは、写真やイラストを融合させたミクストメディア手法で、雪山を詩的かつ壮大なスケールで描き出した。特にヘリコプターからのドロップシーンは圧巻で、会場が息を呑むほどの緊張感に包まれた。映像、音、そしてライダーの判断力が交錯するその瞬間に、観客の心が確かに震えた。
■ チームムービーが映す“原点回帰”
マーク・マクモリス、ダニー・デイビス、ベン・ファーガソン、ミッケル・バング、アンナ・ガッサー、ゾーイ・サドウスキー・シノットら、世界を代表するトップライダーが出演。
彼らの滑りは言うまでもなく圧巻だが、それ以上に伝わるのは「仲間と滑る」ことの尊さだ。
上映後、マクモリスが語った「チームムービーはスノーボードの文化そのもの」という言葉が印象的だった。個人競技でありながら仲間とのセッションがすべての原点『PAVED』はその精神を見事に映像化している。
■ 女性ライダーたちの存在感
アンナ・ガッサーやゾーイ・サドウスキー・シノットら女性ライダーのパートも大きな見どころ。怪我や不安に向き合いながらも再び雪上に立つ姿はリアルで、会場から自然と拍手が起こった。
彼女たちの挑戦は、スノーボードの未来を象徴する場面として強い印象を残す。
■ “上手い”を超えた、“美しい”作品
『PAVED』が放つのは、技術を超えた“美しさ”だ。
映像のトーン、音楽の選曲、ナレーションの間(ま)までが緻密に計算され、自然と人間の呼吸が共鳴する。
バックカントリーという過酷な環境で、仲間と笑い、苦しみ、歓喜する。
その一瞬一瞬が観る者の胸に温かく響き、上映後もしばらく雪の静寂と風の音が耳に残った。
■ 世界へ“雪の軌跡”が繋ぐ25都市
本作は東京を皮切りに、ミラノ、チューリッヒ、インスブルックなど
世界25都市でプレミアツアーを展開中。
スノーボードという枠を超え、自然と人間の共生、
挑戦の意味を問う作品として、広く共感を呼びそうだ。
■ 配信情報
『PAVED』は2025年11月7日よりRed Bull TVで全世界無料配信予定。
トレーラーは11月3日から、
両ブランド・サイトより公開される。
【文:高須基一朗/取材協力:金澤玄昭】