サッカー大国ブラジルの名門サントス、再建の行方は不透明 ネイマール復帰もチーム低迷続く
2025.9.4
【©️Santos Futebol Clube】
ブラジル・サッカーの名門サントスが再び苦境に立たされている。かつてペレやロビーニョ、そして元日本代表FW三浦知良もプレーした名門クラブだが、国内1部リーグで下位に沈み、残留を懸けた戦いを強いられている。
クラブは2023年、創設111年目にして初の2部降格という屈辱を味わった。わずか1年で1部へ復帰した今季は、世界的スターであるネイマールが12年ぶりに電撃復帰。背番号10を託されたエースにより復権が期待されたものの、現実は厳しい。
【指揮官も記者会見で危機感を示している】
象徴的な出来事が8月17日のバスコ・ダ・ガマ戦だ。
0―6と歴史的惨敗を喫し、シャビエル監督は即座に解任。試合後にはキャプテンマークを巻いたネイマールがピッチ上で涙を流す姿が報じられた。
しかし、その感情的な振る舞いの裏で、チーム全体の戦術的破綻やクラブ経営の迷走といった構造的問題が浮き彫りとなっている。
サントスは過去8度の国内王者に輝いた歴史を持つが、近年は選手の育成と放出を繰り返し、安定したチーム作りに失敗している。
ネイマールのコメント「自分たちが何をしたいのか考えるべきだ」という言葉は、選手たちだけでなく、クラブ全体に向けられた苦言とも受け取れる。
かつてペレが背負った“伝統の10番”は、2部降格中は欠番とされ、1部復帰を機にネイマールが再び袖を通した。だが、スターの存在だけではクラブの低迷を止められないことが露呈している。
果たしてサントスは、過去の栄光にすがるのではなく、持続可能な強化戦略を描けるのか。