LUUPが「免許返納後の足」に新提案 三輪電動モビリティ「Unimo」発表、実証実験へ

2025.8.5

電動マイクロモビリティのシェアサービスで知られるLUUP(東京都渋谷区)は5日、新たな移動手段として三輪の一人乗り電動車両「Unimo(ユニモ)」を発表した。運転免許を持たない16歳以上の利用も可能で、免許を返納した高齢者の“次なる足”としての活用が期待されている。

 

新型の「Unimo」は、座って運転できる三輪型の特定小型原動機付自転車。最高速度は時速20kmで、歩道通行に対応するため6km/hモードも搭載する。LUUPのアプリからポート(無人貸出拠点)を利用して貸し出す予定だ。

▪️高齢者のニーズに応える設計思想

Luupによると、現行の電動キックボードなどのユーザー層は20〜50代が9割以上を占める。こうした状況を踏まえ、Unimoでは高齢者、とくに運転免許証を自主返納した層のニーズに応えることを主眼に置いたという。

実用性の鍵を握るのは、転倒事故の防止策だ。自動車部品大手アイシンの技術を活用し、車体の傾きを走行中に自動で制御する機構を搭載。カーブでも安定した走行を可能にし、従来のキックボードに比べて格段に安心感を高めている。

 

▪️交通違反検知や将来の自動運転化も視野に

さらに、Unimoには車体前部にカメラの設置が検討されており、交通違反の検知といった安全管理の機能も導入予定。

将来的には、自動運転化を見据えた技術開発も進めていく方針だ。

LUUPは現在、全国21都道府県でサービスを展開しており、新型車両は2026年度からの実証実験を経て導入を目指す。岡井大輝代表は「高齢化が進む地域にも新たな移動の選択肢を提供したい」と述べ、都市部だけでなく地方展開にも意欲を見せている。

高齢社会を迎える日本にとって、「移動弱者」への支援は喫緊の課題だ。Unimoは、単なる新型モビリティという枠を超え、生活の質を支える“生活インフラ”としての可能性が高い

【文:高須基一朗】