冬季五輪フィギュア・スケート金メダルのザギトワの“夢のリンク”に23億円超 公的資金投入に賛否の声
2025.8.3
【©️Alina Ilnazovna Zagitova】
2018年平昌五輪のフィギュアスケート女子金メダリスト、アリーナ・ザギトワ(ロシア)が運営する新たなスケートスクールをめぐり、ロシア国内で議論が巻き起こっている。
建設地はザギトワの出身地でもあるタタールスタン共和国。
地元自治体の支援を受け、2023年6月に計画がスタートした。ロシアメディア「ビジネス・オンライン」によれば、総工費は12億9000万ルーブル(約23億8000万円)で、その大半が公的予算から拠出される。完成は2026年12月1日を予定している。
問題視されているのは、その“財源”だ。
現在は国会議員でもある元スピードスケート五輪金メダリスト、スベトラーナ・ジュロワ氏は、ロシアメディア「VseProSport」でこう指摘した。
「私は自分が生きている間に、自分の名前を冠したスポーツ施設を作ることを許可しない。しかも、そこで常勤するわけではなく、特別講座を時々開くだけなら、それは国家事業としてふさわしいのか疑問だ。
プルシェンコ・アカデミーは彼自身の資金で作ったもので、税金とは別の話だ」
一方でジュロワ氏は、「タタールスタンの人たちがフィギュアを愛しているのは知っている。施設ができれば、子どもたちでいっぱいになるだろう」と、一定の理解も示した。それでも、公的資金を使った“個人名スクール”という構図に、多くの国民が首をかしげているのも事実だ。
ザギトワにとっては夢のプロジェクトだが、その実現には“税金の使い道”という重い課題も突きつけられている。