【NBAサマーリーグ】“ドラフト1位”クーパー・フラッグ、注目の初陣は試練の幕開け 豪快ダンクも「不合格」と自己評価

2025.7.11

 

【©️Dallas Mavericks】

2025年7月10日(現地時間)、ラスベガスで開幕したNBAサマーリーグ「NBA 2K26 Summer League」において、今季ドラフト全体1位でダラス・マーベリックス入りを果たしたクーパー・フラッグ(18)が待望のプロ初戦を迎えた。チームはレイカーズに87―85で競り勝ったが、フラッグ個人としては満足のいく出来とはならず、試合後に「自分の中では不合格」と厳しい自己評価を口にした。

全米のバスケットボールファンから期待を集める“次代のスター候補”は、10得点、6リバウンド、4アシストと一定の数字を残しつつも、後半はシュートが沈黙。

プロの壁の高さと、調整の必要性を痛感させられる一戦となった。

▪️若きスターに注がれる熱視線

身長2メートル6センチ、スキルとサイズを兼ね備えたオールラウンドフォワードのフラッグは、大学バスケ界で圧倒的な存在感を放ち、NCAAトーナメントでは平均19.2得点、7.5リバウンド、4.2アシストと攻守両面で活躍。数々の個人賞に輝き、全体1位指名は“既定路線”とまで言われていた。

史上最年少の全体1位指名記録を持つレブロン・ジェームズ(当時18歳178日)に次ぐ、

18歳186日での指名は、彼がいかに異例の逸材として評価されているかを物語っている。

▪️開幕戦での洗礼と一瞬の輝き

サマーリーグ開幕戦となったこの日、フラッグはスターティングメンバーとして登場。試合開始早々の攻撃でボールを託されると、会場には大きな歓声が響いた。シュートこそ外れたものの、その存在だけで観客の視線を集めるカリスマ性を見せつけた。

注目の“ブロニー”こと、レブロン・ジェームズの息子ブロニー・ジェームズとの直接対決の場面では、ひと際大きな歓声が巻き起こるなど、この日最も注目を集める存在だったことは間違いない。

前半残り4分35秒、スチールからの速攻で豪快なワンハンドダンクを決め、プロ初得点をマーク。その後もステップバックからのジャンプシュート、レイアップと連続得点を挙げ、前半だけで15本のシュートを放ち10得点と積極的に攻めた。

だが、後半に入ると一転、得点が止まり、試合全体を通じてシュート成功率の低さが課題として浮き彫りになった。

▪️「調整は必要だが、大丈夫」

試合後、フラッグは「今夜の仲間たちが素晴らしかった。彼らが自分を支えてくれた」とチームメートへの感謝を口にしつつ、「自分の中では不合格。ベストなプレーはできなかった」と厳しい言葉で自己を戒めた。

大学とNBAの違いについて問われると、「ペースが違う、フィーリングが違う、スペーシングが違う。多くの調整が必要だが、大丈夫」と冷静に現状を分析し、前向きな姿勢を示した。

NBAサマーリーグは、ドラフトルーキーや若手有望株がプロの舞台に慣れる貴重な機会であり、チーム側も選手の成長を見極める場として位置付けている。非公式ながらも実戦に近い環境の中で、各選手は課題と向き合い、自らの価値を証明していく。