ボクシング界に衝撃!! WBCフライ級暫定王者ロドリゲスがドーピング陽性 統一戦構想に暗雲、拳四朗戦も白紙へ

2025.7.10

【©️DAZN】

プロボクシング界に衝撃が走った。WBC世界フライ級暫定王者フランシスコ・ロドリゲス(31=メキシコ)が、6月21日に行われた暫定王座決定戦後のドーピング検査で禁止薬物の陽性反応を示していたことが、英興行大手マッチルーム社から発表された。

 

ロドリゲスは英国バーミンガムで開催されたWBCフライ級暫定タイトル戦で、当時の王者ガラル・ヤファイ(英国)を3―0の判定で下し新王者に輝いたばかりだった。しかし、試合後の検体から禁止薬物が検出され、今後の処分はWBCと英国ボクシングコミッションの判断に委ねられる。Bサンプルでも同様の結果が出れば、試合は「ノーコンテスト(無効試合)」扱いとなり、王座獲得そのものが取り消される見通しだ。

事実上の「剥奪前提」報道に、ボクシングファンや関係者からは失望と怒りの声が上がっている。

 

ドーピング問題は選手のキャリアを台無しにするだけでなく、スポーツそのものへの信頼を大きく損なう。ロドリゲスはこれまでにも、2014年にはWBOミニマム級王者としてIBF王者の高山勝成を破って王座統一を果たし、2021年にはWBOスーパーフライ級王者の井岡一翔に挑戦、2022年には中谷潤人とも拳を交えるなど、日本でも知名度の高い実力派だ。しかし、今回の違反によりこれまでの功績にも疑問符が付きかねない事態となった。

 

ロドリゲスはヤファイ戦後のリング上で、WBC・WBAフライ級統一王者の寺地拳四朗(BMB)に対し「電話してくれ、日程が決まったらやろうぜ」と堂々と対戦を呼びかけていた。寺地は7月30日に横浜BUNTAIでリカルド・ラファエル・サンドバル(米国)との防衛戦を控えており、その後にはWBCの規定により暫定王者との統一戦が義務づけられる見通しだったが、今回の不祥事により、ロドリゲスとの一戦は事実上消滅する可能性が高い。

ボクシング界において、ドーピング問題は過去にも数々の論争を生んできた。だが、今回は世界王座に直結するタイトルマッチにおいて発覚しただけに、その波紋は一層深刻だ。WBCおよび関連団体には、徹底的な調査と厳正な対応が求められるだろう。