MLB猛暑被害 選手 球審 スタッフが次々と体調不良に 各地で熱中症相次ぐ異常事態
記録的な暑さが全米を襲う中、21日(日本時間22日)に行われたメジャーリーグのデーゲームで、選手や審判、球場スタッフが相次いで体調不良に見舞われる事態が発生した。
【©️Louis Cardinals】
■セントルイス:レッズの主力が試合中に嘔吐
セントルイスで午後1時16分に始まったカージナルス対レッズの一戦では、レッズの若手スター、エリー・デラクルス内野手が守備中に突如嘔吐。これに気づいた二塁手マット・マクレーンがタイムを要求し、試合は一時中断された。トレーナーが駆けつけた後、デラクルスは腹部を押さえて苦悶の表情を浮かべつつも、治療を受けたのちプレーを続行。7回には勝ち越しの2ラン本塁打を放つ奮闘を見せたが、チームはサヨナラ負けを喫した。
試合時の気温は33度に達しており、フランコナ監督は「彼は十分に水分を摂っていたが、それを吐き出してしまった」と、
熱中症の兆候があったことを明かしている。
【©️Chicago Cubs, 】
■シカゴ:球審交代、選手もふらつきながら退場
一方、シカゴでは午後1時20分開始のカブス対マリナーズ戦が、34度の猛暑の中で開催された。
この試合では球審のチャド・ウィットソン氏が5回終了後に体調不良を訴えて交代。試合は約10分間中断され、6回以降は二塁塁審だったデクスター・ケリー氏が球審を代行した。
さらに、マリナーズの救援左腕、エリック・ソーントン投手にも異変が。7回途中から登板し8回も続投していたが、カブスのイアン・ハップに四球を与えた直後、マウンド上でしゃがみ込んだ。トレーナーが駆け寄り水分補給を試みたが、ふらつきが見られ、自力で歩くことができず、最終的にはベンチまで肩を借りて退場。スコット・サービス監督は「軽度の熱中症のようだった」と説明した。
■スタッフも倒れ…球団が緊急対応
カブスの広報は、試合終了後に球場スタッフが熱中症の症状で倒れたことも明らかにした。場内で応急処置を受けた後、本人は自力で帰宅したという。球団側は、今後に向けて球場内に冷却ミストや「冷却ステーション」としてのバスの設置を進めるとしている。
■「本当にひどかった」現場からは悲鳴
マリナーズのサービス監督は、「ウィットソン球審も吐いていた。彼もソーントンも本当に具合が悪そうだった。今日の暑さは尋常じゃなかった」と振り返り、異常なコンディションへの危機感をにじませた。
異常気象の影響がスポーツ現場を直撃した今回の騒動。選手や関係者の健康と安全を守る対策の強化が、改めて求められている。