ボクシング亀田和毅選手、3階級制覇ならず敗戦

2025.5.24

不利の下馬評覆す激闘も・・・判定で惜敗

プロボクシングIBF世界フェザー級タイトルマッチが24日、インテックス大阪で行われ、挑戦者の亀田和毅(33=TMK)は王者アンジェロ・レオ(30=米国)に

0―2(115―113、116―112、114―114)の判定で敗れ、

日本人8人目となる3階級制覇の快挙はならなかった。

 

2013年のWBO世界バンタム級、2018年のWBC世界スーパーバンタム級に続く、3つ目の王座を目指した亀田。実に5年10カ月ぶりとなる世界戦は、惜しくも夢の実現に届かなかった。

 

▪️接戦を演じた“逆襲の和毅”

戦前の予想は圧倒的に不利。中継を担当したABEMAの勝敗予想では、王者レオの勝利が68.9%、亀田の支持は31.1%にとどまっていた。しかし、そんな下馬評を覆すように、試合は終始接戦。レオがジャブとストレートで距離を支配する一方で、亀田は4回以降、接近戦に持ち込み反撃を開始。5回には左ストレートのカウンターやボディブローを的確に決め、流れを引き寄せかけた。

6回にはプレッシャーを強め、ガード越しにフックを叩き込むなど主導権を握る場面も。9回には強烈な左ボディを見舞い、最後まで激しい打ち合いを展開。勝利への強い執念をリングで見せつけた。

 

▪️“チーム和毅”と歩んだ挑戦

6年ぶりの世界挑戦に向けた準備も万全だった。父・史郎氏を中心としたトレーナー陣、フィジカルメンテナンスを担うスタッフら10名による「チーム和毅」が、一丸となって33歳のベテランを支えた。

「予想って、みんな自由にできますから。誰が何を言おうと、やることは変わらない。やってきたことをすべてリングで出すだけです」

試合前、そう語っていた亀田の言葉通り、揺るがぬ覚悟が随所に垣間見えた。しかし、フェザー級トップクラスの実力を誇るレオの壁は厚く、あと一歩が届かなかった。

 

▪️15年ぶりの日本人フェザー級王者ならず

もし勝利していれば、2009年の長谷川穂積以来となる日本人フェザー級王者の誕生だった。試合には「亀田家最終章」という副題が掲げられ、試合前日には父・史郎氏が「これが最後。ここで出し切れなければ和毅のボクシング人生も終わり」と語っていた。

その言葉が意味するものは、果たして現役引退か、それとも新たな挑戦か――。