井上尚弥選手、来年5月“東京ドーム決戦”に向けた青写真が浮上 

2025.5.10

▪️年末フェザー転級でニック・ボール戦も視野

【井上尚弥選手公式インスタグラムより画像】

 

世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(32=大橋)が、ついにフェザー級進出を本格始動する。年末にはWBA世界フェザー級王者ニック・ボール(英国)との一戦が濃厚となっており、さらにその先には“ビッグピクチャー”として、来年5月に東京ドームで予定されている中谷潤人(27=M.T)との歴史的一戦が水面下で構想されていることが明らかになった。

 

■ まずは9月、アフマダリエフとの決戦へ

井上は5月6日、東京ドームで行われた試合でWBA世界スーパーバンタム級1位のラモン・カルデナス(米国)を8回TKOで沈め、改めてその実力を世界に誇示した。これにより、次戦はWBA同級暫定王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)との対戦が、9月を目処に内定。アフマダリエフはかねてから井上への挑発的な言動を繰り返しており、かつてIBF・WBA世界スーパーバンタム級王座を保持していた実力者。スリリングな打ち合いとなることは必至だ。

 

■ フェザー転級を視野、年末は英国の“突貫小僧”ニック・ボールと

その後の年末には、待望のフェザー級進出が見込まれる。標的は、英国の無敗王者ニック・ボール。英プロモート大手「クイーンズベリー・プロモーションズ」代表のフランク・ウォーレン氏が、専門メディア『BOXINGNEWS』の取材に応じ、「井上サイドは明確にやる気を見せている。双方が勝ち進めば年末か、もしくは来年2月にでも実現する可能性が高い」と語った。

ボールはその小柄な体格から繰り出す突進力と、驚異的なスタミナで“英国の台風”の異名を持つ難敵。対する井上は、これまでの4階級制覇に加え、フェザー級でもその地位を築く準備に抜かりはない。仮にこの対戦が実現すれば、年末の世界ボクシング界において最大級の注目カードとなるのは間違いない。

 

■ そして来年5月、「中谷潤人との頂上決戦」計画も

こうした一連の戦いを経て、最終的なハイライトとして浮上しているのが、2025年5月に構想されている“東京ドーム決戦”。その対戦相手として現在最有力とされているのが、WBC世界フェザー級王者・中谷潤人だ。

中谷は4月、レイ・バルガス(メキシコ)を下して日本人初の3階級制覇を達成。長身サウスポーとしての技巧に加え、年々増す打撃力とスピードは、井上にとってもこれまでにないスタイルとの対峙となる。両者ともに「無敗神話」や「日本ボクシング史上初の快挙」を重ねており、まさに歴史に残るドリームマッチとなることは確実だ。

主催者サイドは、来年のゴールデンウィーク期間中に東京ドームでの開催を想定。収容可能人数5万人超、地上波・配信プラットフォームの連動放送など、かつてないスケールでの実施に向けて調整が進められている。

 

▪️フェザー級統一戦線の主役へ

井上尚弥のフェザー級進出は、単なる階級アップにとどまらない。ボール、中谷との連戦に勝利すれば、わずか2戦で再び統一戦線の中心へと躍り出る可能性がある。PFP(パウンド・フォー・パウンド)ランキングの頂点に再浮上するシナリオも現実味を帯びてくる。

「世界最強」の肩書きを引っ提げ、新たな頂に挑む井上尚弥。

2024年後半から2025年前半にかけての1年は、

まさにキャリア最大の正念場となる。