フジテレビ社員・ウザ強ヨシヤ選手、RIZIN出場で戒告処分
▪️“二刀流”の働き方に社会的議論も
総合格闘技イベント「RIZIN男祭り」(5月4日・東京ドーム)に出場予定のフジテレビ社員、ウザ強ヨシヤ(29、本名非公表/Fight Club428所属)が、社内規定違反により「戒告」処分を受けていたことが4月28日、関係先の話で明らかになった。
ウザ強氏はこれまでも格闘技イベント出場を希望しており、2024年10月5日に開催された「FIGHT CLUB.2」への参加を会社に申請。
しかし、「負傷による業務支障の可能性が、就業規則に抵触する」として
フジテレビ側は許可を下さなかったという。
今回のRIZIN参戦についても会社の許可は得られておらず、ウザ強氏は4月9日に行われた試合カード発表会見に独断で出席。
元K-1王者の朝久泰央(27、朝久道場)との対戦が発表された。
この場でウザ強選手は、「正式な許可は得ていないが、親しい先輩たちに相談し、背中を押された」と語り、「圧倒的な勝利か圧倒的な敗北、わかりやすい試合をしたい」と意気込みを見せた。
会見後、ウザ強選手は会社と二度にわたり面談。
「会社を辞めるか、試合出場を諦めるか」の選択を迫られた末、最終的に「戒告」処分が下されたとみられる。なお、5月4日の試合に出場した場合には、さらに重い処分が科される可能性もある。
また、ファイトマネーを受け取らず、ノーギャラで試合に臨む方針を示している。
「サラリーマン・ボクサーや社会人ラグビー選手は認められているのに、なぜ格闘技だけが制限されるのか理解できない」と、会社の対応に疑問を呈した。
一方で、「フジでの仕事には大変なこともあったが、やりがいも感じていた。今後も仕事を続けたい気持ちはある」とも語る。
しかし「東京ドームのリングに立つという夢は譲れない」として、
仮に退職となっても出場する意向を固めている。
過去には、広告代理店・電通に勤めながらK-1選手として活躍した大渡博之氏の例もある。ウザ強氏のケースもまた、プロ選手と企業勤めを両立させる“二刀流”の働き方が社会で問われる中、どのような影響を及ぼすか注目される。
働き方改革が進む令和の時代、大手企業には柔軟な人材活用が求められている。
ハラスメント問題やタレントとの契約問題を抱えるフジテレビにとっても、
社員個人の夢と会社の規律とのバランスをいかに取るかは難しい課題だ。
今回ウザ強氏は、金銭的な報酬を受けず純粋に夢のために戦う姿勢を見せている以上、格闘技界を盛り上げようとする意志に、多くの共感も寄せられている。
フジテレビの今後の対応に注目だ。
【文:高須基一朗】