ボクシング世界戦 比嘉大吾選手が現役引退を表明 2戦連続ドローで世界王座ならず「自分の中では負け」=WBAバンタム級世界戦

2025.7.31

【from Antonio Vargas official Instagram】

ボクシングのトリプル世界戦が30日、横浜BUNTAIで開催され、WBAバンタム級タイトルマッチに臨んだ同級2位・比嘉大吾(29=志成)は、王者アントニオ・バルガス(28=米国)と12ラウンドを戦い抜き、判定0―0のドロー。

王座奪取はならず、試合後の記者会見で現役引退を発表した。

 

比嘉は序盤から積極的に攻め、4回には鋭い左フックでダウンを奪取。一時は優位に立ったが、迎えた最終12ラウンドでバルガスのカウンターを浴びてダウンを喫し、勝敗を分ける場面となった。3人のジャッジはいずれも引き分けと裁定し、試合は痛恨のドローに終わった。

昨年9月にWBO王者・武居由樹に惜敗、今年2月にはWBA休養王者・堤聖也と引き分けており、これで3試合連続の世界戦未勝利。再び王座を逃したことを受け、比嘉は「自分の中では世界戦でタイトルを取れなかったら負け。これが終わりだと思っていた」と語り、現役から退く意志を明かした。

会見では「ここまで応援してくれたチーム、ファン、そして沖縄の皆さんに感謝したい」と話し、時折言葉を詰まらせながらも、支えてくれた人々への謝意を述べた。

比嘉は2017年にWBC世界フライ級王者となり、日本タイ記録となる15連続KO勝利を達成。その後、体重超過による王座剝奪という挫折も経験したが、復帰後も粘り強く戦い続けた。ラスト3試合は全て世界戦、いずれも手に汗握る熱戦を展開し、ボクシングファンに強い印象を残した。

通算戦績は22勝(21KO)2敗2分。激闘型のスタイルと圧倒的なKO率で時代を駆け抜けた比嘉が、静かにグローブを置いた。