INTERVIEW
須藤元気
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アルバート・クラウス


新田明臣





― まずは、MAX! おめでとうございましたと言ったら良いのでしょうか、お疲れ様でしたと言ったらいいのでしょうか…。
新田 いや、どちらでも(笑)。
―  トーナメントの感想からお願いします。
新田 はい。思った通りの展開で。望んだ通り、決勝まで。本当は優勝までだったんですけど(笑)。
― リザーバーとして参戦したわけですが、あくまで優勝まで睨んでいたと?
新田 リザーブ戦参戦と決まった時点で、リザーブについて考えましたね。やっぱリザーブだと思っていたら、精神的にどうしても他の選手と差が開いちゃうっていうか、ついていけないと思ったんで。やっぱり本戦出てるつもりじゃないと、精神的にいざ、行けって言われた時に「あっ、これはやばいなっ」て思っちゃうんで、最初っから(本戦)行く気で。
― リザーブマッチということで、オープニングマッチ、いきなり入場曲「サンバ・デ・ジャネイロ」で会場がヒートアップしました。その試合、ASHU-RA選手の印象はいかがでした?
新田 パンチが強かったですね。気持ちの強い選手で。気持ちのいい試合が出来たと思いますね。向こうは納得いかなかったと思いますけど…。 お互いぶつかりあって。K-1らしい試合になったかと。
― 武田選手の負傷で、リザーバーとして村浜選手と準決勝を戦うことになりました。そこまでの気持ちのコントロールは難しかったんじゃないかと思いますけど…。
新田 事前に、トーナメントに出るつもりで! という気持ちが強かったのと、一度(気持ちが)落ちかけて…… というかリザーブマッチでKOという良い勝ち方ができたんで、自分の中で「今日はもうこれでいいんじゃないかな」って思っちゃったところがあったんですけど、それを引き戻して、まだわかんない、まだ出る気で!と思っていました。
― トーナメントの経験って…?
新田 あるんですけど、K-1 MAXで一回戦で負けている(2002.2.11 K-1MAX日本代表決定トーナメント、大野崇戦 IR K.O)んで、勝ち抜いたことがないんですよ。
― 今回はリザーバーという難しい立場から、とうとうファナリストにまで勝ち上がりました。そして友人でもあるコヒ(小比類巻貴之)選手と拳を交えました。決勝のリングに上がるまでのお気持ちはいかがでした?
新田 いや、そのまんまです。普通です。
― コヒ選手だからと、何か意識された事とかは?
新田 確かに少しはありましたけど、でも(対戦すると)わかってたことなんで。出ると決まった段階で、誰とでも当たる可能性はある訳ですから。試合は試合って皆割り切ってたんで。僕も割り切ってましたし。
― やりづらかったということは?
新田 いや、ないです。コヒの方が逆にあったかも知れないですけどね。
―「心発夢着」という言葉をキーワードにしてらっしゃるという事でしたが、ココロは発揮できましたか?
新田 う〜ん、たぶん決勝まで勝ち残って、まぁ思った通りという意味では、発揮できたかな、とは思いますけど。でも優勝しなかったんで、発揮してないと言ったら発揮してないし…。
― やはりリザーバーという立場から勝ち上がると言う事は、すごい精神的に強くないと難しいですよね。何か強く念じていないと…。
新田 そうですね、ずっと(勝ち上がると)強く思っていましたね。
― MAXに出る事、そしてそれに勝つ事というのは特別なものですかね?
新田 やはり特別なものですね。目標ですし。まずはジャパン優勝、そしてMAX優勝と。
― ベテランの域に入っていると思うのですが、新人の頃と比較して、何か変化したことは感じますか?
新田 すっごいありますね。戦いに対する捉え方っていうのが。(以前は)勝った方が上行って負けた方が落ちてって、という考え方があったんですけど。世間一般的にもそういうのがあると思うんですけど、そういう捉え方が自分には合ってなくて。戦った者同士、お互いが人間として成長する場として戦いがある、という風に捉えるようになったら、随分楽になって、どんな選手とやっても、ある意味(お互い)気持ちの高め合いであるし、人間として成長する場として。試合前のプレッシャーとか凄いものあるし、普通の生活してたら経験出来ないことですから。
― 若い頃は、ガムシャラにただ勝てばいいみたいなのが…。
新田 そうですね、その時もやっぱ何となく、何のために(戦う)、ってのがずっとあったと思うんですよ。勝って、上いって、地位を上げて、ってのも良いんですけど、やっぱ今はそれだけでは物足りないんですよ。昔の人はホント、モノもなくて、喰うものなくて、自然にハングリーだったと思うんですよ。昔の人と違って今の僕らの世代って、親が一生懸命頑張って、ある程度裕福で、物質的には満たされてるんで、ある程度欲しいモノは手に入って、何でも出来て。そんな中で、試合して…。 傷つけあって試合して、なんでそんなことしなきゃならないんだろうって、ずぅーっと考えていたんですよ。やっぱり究極的には人間的にデカくなるためじゃないかと今は思うんですよ。人間的にデカければ、そんだけ人も集まってくる訳ですし。人を助けることも出来るし。自分にとってもいいと思うんで。
― 今はジムの代表である訳ですが、その辺りは後輩たちには…?
新田 あー、もう全然ナイです。まったくそう言う気配すら見せてないです。そういう道場訓みたいのも、まったく作ってないですし。まだ手探り状態で。ジムを作ることから始めて、どうやったら出来るか。周りに片っ端から助けてもらってるだけの状態なんで。
― ではそれは追々に?
新田 そうですね、(自分は)ずっとキックの事しかやって来なかったんで、社会的な事が何にもわかっていないんですよ。何をどうしたら良いのかもわかっていないんで。まだ迷惑をみんなにかけている段階で。
― でも代表である新田さんが、まず現役で強いって言う事と、そういった精神的な事を軸に持っていれば、徐々にそれは…。
新田 そうですね、絶対それは自然に広まることだと思うんで、僕はそれを態度で、行動で示せばいい事なんで。
― 今後はどのように活躍を?
新田 やっぱりMAX常連! 名前を憶えてもらう事だと思うんで、世間の人に。ですから常連ですね。ヘビー級だったら(アーネスト)ホースト、アンディ・フグとか…。 MAXだったらコヒ、魔裟斗選手、KID選手、武田選手とか、名前を憶えてもらえる選手になることですね。
― MAXはテレビでオンエアされてますし。格闘技詳しくない人でも名前は知ってるでしょうし。キック界では超有名人ではありますが、どうしてもキック界自体がまだまだのところがありますからね。
新田 まずMAXで名前を憶えてもらえたら、キックに帰った時も、名前憶えてもらえているんで、活きてくるじゃないですか。
―  相乗効果で…… ですね。それで、最終的にはWORLD MAXで優勝ですね?
新田 そうですね、そう思わないと。思わない事には始まらないんで。もともとそうやって思わないタイプだったんですよ。欲が浅いっていうか…。 キック始めたのも、プロになって、入場曲かかって入場する選手になるっ、ていうのが目標だったんですよ。そのままの勢いで(それまでは)来ちゃった所があるんで…。 だからここからは、志は高ければ高い程いいって実感じてるんで、まずは志を高くしようと。
― それは、ご自分で思った事なんですか?それとも誰かから…?
新田 いろいろですよ、やっぱいろいろ出会いがあって。
― コヒ選手とはかなり親しいということですが、いつぐらいからのおつき合いなんですか?
新田 試合した後ですね。
― 97年の、コヒ選手がデビュー5連勝の後ですね?
新田 そうですね…… あっ、でもしばらくは…… ちょっと空いてからかな? しばらくして、ウチのジムに出稽古に来るようになったんですよ。
― コヒさんが出稽古に来て。それから、プライベートでも仲良くなって?
新田 そうですね、コヒのおじさんに呼ばれて、コヒのお姉ちゃんとかみんな集まって、横浜でご飯食べさせてもらったり。
― 家族ぐるみと言うか…。
新田 そうです。
― どんな話しするんですか?
新田 普通ですよ、二人とも天然ボケなんで、結構もう他愛もない会話で(笑)。だからよく、コヒと似てるって言われましたよ、昔は。性格的な面で。
― 格闘技のお話は?
新田 最近はコヒが頑張っているんで、あまりしないですけど。
― 共通の趣味とかは?
新田 いや、ないですね。最近はメールでやりとりする位で。最近コヒがMAX出て、僕がずっと出ていなかったんで、試合の都度「よかったね」みたいな…。
― 腹筋すごいですよね?維持する秘けつは?
新田 いや、腹筋もたぶん他人の半分もやっていなかったですよ。多分体質もあるんじゃないですか? 子供の時に、強烈なイメージがあったんですよ。今よりももっと強烈な。結構イメージ通り来たな、みたいな(笑)。
― マッチョな感じの?(笑)
新田 中学生くらいの頃に比べて随分変わりましたね。
― 何か影響された事があったんですか?
新田 何ですかね? 北斗の拳だったり、キン肉マンだったり。
― その辺は見てましたね? ちなみに好きなキャラは?(笑)
新田 主役が好きな人って多いと思うんですけど、僕はわき役が好きなんですよ。キン肉マンだったらウォーズマンとか、めちゃくちゃ好きで、だからもともとわき役キャラって自分で設定していたんだなって(笑)。キャプテン翼だったら、ゴールキーパーの若林クンとか若島津クンとか。ちょっと主役から外れてる人が好きだったんですよ。いま自分がこういう位置にいるのも、自分でそうしてるんだなって。なりたい存在みたいに振る舞ってこう、なると思うんですよ。自分でやっぱそういう風になりたかったのかなって。最近気付いたんですよ。
― オフの時は何をして過ごしていますか?
新田 今までは結構、適当だったんですけど、基本的には読書ですかね。あとは音楽鑑賞と… ドライブですか。ドライブじゃないんですけど、車だらだら乗りながら、自分の世界に入っているのが好きなんですよ、音楽聞きながら。歌いながら…… 叫びながら(笑)。K-1の舞台に上がっている自分というのは、車乗ってる時にイメージするんですよ。そういう時間が凄い大事ですね。
― その時と言うのは、リラックスするんですか?それとも昂る感じですか?
新田 昂る!ですね。集中する時間ですね。
― 音楽もアゲアゲな感じで?
新田 そうです。アゲアゲな感じで。アップテンポな感じですね。
― 歌うというと、何を?
新田 歌う、というか口ずさむ程度ですけど。J-POPとか何でもですね。Kinki Kidsとか(笑)ミスチルとか……HYだったり。
― ホント、POPポップしてますね(笑)。
― 最近感動したこと、何かありました?
新田 感動した事… !いや、毎日感動しますね。些細な事で感動するんですよ(笑)。ちっちゃい事で泣いたり。良い傾向なんだと思いますね。精神的に。
― 最後に、ファンにメッセージを。
新田 まだまだ、どこまでも頑張るんで、みんな頑張りましょう(笑)!
― はい!今日はありがとうございました。
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