INTERVIEW
須藤元気
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アルバート・クラウス


新田明臣





― まずは、おめでとうございます。現王者相手に非常にアグレッシブな試合内容になりましたね。
クラウス ありがとうございます。
― では、試合の感想から聞かせてください。
クラウス この勝利のためにオランダの方で一生懸命練習してきたので、非常にうまい具合に試合運びができました。前回のKー1MAXの試合(10月の世界王者対抗戦)では、自分自身の中で積極的に攻め切れなかったことが大きな課題として残りました。また、前回の試合までの間何カ月間は運が無かったように感じていましたが、集中して練習に専念することができたのでこのような結果に繋がったのだと思います。 今日はとにかく調子がよかったと思います。正直にうれしいですね。
― 誰もが超えられなかったブアカーオ選手から意味ある一勝をもぎ取りました。非常に手強い相手だったと思いますが、実際にブアカーオ選手と戦ってみてどんな印象を持たれましたか。
クラウス 僕自身もともとブアカーオ選手を非常に尊敬していたし、強い選手だと思っていました。だけど、今日の試合に関しては自分の実力の方が上だったという感触がありましたね。ブアカーオ選手の場合、ムエタイ仕込みのパンチを打つんで、しっかり見ていれば脇のあたりがガラ空きになるのがわかるんですよ。だから、僕はダッキングで懐にもぐりこんで簡単なパンチを叩き込むだけでよかったんです。彼のキックは一流品だけど、パンチになると全然ですね。まあ、試合全体を考えても今日は僕の勝ちでしょうね。この結果には非常に満足していますよ。
― クラウス選手からしてみて、今回の一番の勝因は何だったのでしょうか。
クラウス やはり、自分のやりたいペースで試合運びをコントロールできた点じゃないでしょうか。もちろん、相手は王者という最高の実力を持った選手ですから警戒していた部分は大いにあったのですが、そんな中でも冷静に自分自身の動きを考えて、自分のやりたいことを最大限にできるように努力をしました。それが勝利につながった最大のポイントだったのだと思います。
― 現王者を倒したということについて、これからのトーナメントに向けての最高のステップになったのではないでしょうか。
クラウス そうですね。前回の試合の前後の間では、しばらく運がない状態が続いていました。「人生は山あり谷ありだ」とよく言われますけど、あのときはその「谷」の方を感じていたんです。だけど この試合に向けて練習を摘むことで、その状態からもうまく脱出することができました。特に今日の勝利に関しては、今後試合をしていくにあたっていい弾みになったと思いますよ。
― 今回の試合を終えて、クラウス選手自身の中でも確固たる自信がついた部分はありますか。
クラウス ええ。でも、僕は基本的に来日する時には試合に勝つために来日しているんですよ。負けるためには来日しているつもりはまったくありませんから。これは当然のことですけど。だから、とにかくトーナメントにはいい調子でいきたいと思っていますね。まあ、去年と比べたら、ちょっと試合を控えめにしたいという気持ちはありますけど、自分の持てる力を出し切ってがんばりたいですね。
― 今回のトーナメントでは小比類巻選手が優勝の切符を手に入れましたが、クラウス選手の中で、今後のトーナメントにおいてライバルになりそうな選手は誰ですか。
クラウス 今の段階ではなんとも言えないですね。僕自身、まだトーナメントの予選というところまでは行っていませんからね。だけど、まあ、僕は相手を選びませんよ。簡単に言ってしまえば、相手がどんな選手でも勝利できると思っていますから。自分のコンディションが百%完璧だとは言い切れません。まだまだ練習しなければならないところがたくさんあります。だけど、今の僕は自分の仕上がりに自信を持っていますからね。今日の勝利は単純にその流れに沿っただけです。だから、対戦相手が決定次第最高の試合をするつもりでいますよ。どんな選手であろうとも楽しみにして試合を待っています。
―今日のトーナメントを見た感想はどうだったのでしょうか。前回の世界王者対抗戦での対戦相手であった小比類巻選手が今回連覇を勝ち取りましたが、そのことについてはどのように考えていますか。
クラウス 前回の記者会見でも話をしたのですが、やっぱり彼は強くていい選手だと思いますよ。彼に関しては、以前からそういう風に思っています。だから、前回直接試合をしたときのことと今回このようにトーナメントを連覇したことを思い比べてみても、特に印象は変わっていませんね。すばらしい選手ですよ。ただ、申し訳ないんですけど、今回のトーナメントの決勝のことについては、ちょうど僕自身も自分のことで精一杯になっていたときだったので試合をあまり詳しく見ていないのが現実です。また、機会を改めて試合を振り返ってみたいと思います。
あと、これはみなさまにお知らせです。もう知っているかもしれませんが、実は、僕、4月末には2児のパパになるんです。これから生まれてくる子供には、今日の試合の結果について現王者に勝ったということを報告できるので、本当に胸がいっぱいという気持ちです。今日はありがとうございました。
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