INTERVIEW
ドリーム対談!
山本"KID"徳郁
vs
アシュラマン


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アシュラマン カーカカカ、オマエがKIDか!
―(身長2メートルのアシュラマンがKIDに歩み寄り、不敵な表情で見下ろす)
KID うわ、本当にアシュラマンだ。ヤベエ!
アシュラマン む、「ヤベエ」とはどういう意味だ?
編集部 「最高にカッコいい」という意味ではないかと……。
アシュラマン カカカ、わかっているではないか。実はわたしも昨年末の魔裟斗戦は、魔界から見ておったのだ。あれはいい試合だったぞ!
編集部 そうですよね、あの初回のダウンなんか……。
アシュラマン うるさい! キサマは黙ってろ。わたしはKIDに会いに来たのだ。
編集部 し、失礼しました(汗)。
アシュラマン それにしても、KIDよ、魔裟斗戦での下腹部への反則蹴りにはよく耐えたな。あれは並みの人間なら失神ものだぞ。わたしにはわかる。あのアクシデントがなければ勝っていたとはないか?
KID 負けは負けだし。そういうの、あんま、別に気にしない。
アシュラマン 前号の『格闘伝説』のインタビューで読んだぞ。オマエは「ああいうやり方もあるんだなって思った」そうだな。魔裟斗との再戦は近いうちにあるかもしれないが、今度は逆に金的蹴りをお返ししてやるのはどうだ?
KID それはない。俺は「ルールのある喧嘩」がしたい。
アシュラマン うーむ、見た目はワルぶっているようだが、芯は真っ直ぐのようだな。わたしもキン肉マンなど正義超人たちと多くの闘いを繰り広げてきたが、その中で喜びを感じることも少なくはなかった。一時は、奴らに感化されて正義超人に転向したこともあったぞ。KIDにだからこそ、打ち明けよう。恥ずかしい話だが、実は、悪魔にだって友情はある。オマエは闘いを通じて魔裟斗に友情を感じてはおらぬか?
KID まあ、友情っていうよりは、闘ってて気分が良かった。それが友情っていうのか解らないけれど、気持ち良かった。
アシュラマン 魔裟斗は戦略として金的蹴りを使ったかもしれんぞ。
KID そんなの関係なし。まあ、金的蹴り使うくらい度胸があるんだな、俺にそこまでするんだなって、そういう風に思った。
アシュラマン ほう。それでは、魔娑斗のことをどう思っているのだ?
KID どう思ってもいない。ただ、またやりたいなって。面白かったから。見ている人が面白いのとは別に、自分でやってても面白かったから。
アシュラマン 昨年秋(10月13日)のK−1MAXでジャダンバ・ナラントンガラグにKO勝ちした後、マイクで「魔裟斗君、2人で試合をして日本を盛り上げましょう。それで、日本を盛り上げたら試合後に渋谷ででも飲もうよ」などと言っておったが、試合後、魔裟斗と密かに杯を交わしたりしてはいないのか?
KID ない。俺、そのまますぐにハワイ行っちゃったから。子供の出産で。
編集部 アシュラマンさんは、意外と地球の格闘技情報にお詳しいですね。本紙も読んでらっしゃるとは光栄です!
アシュラマン うるさい! キサマは黙っていろと言ったろ。竜巻地獄!
―(アシュラマンの得意技「竜巻地獄」で編集者が吹き飛ばされる)
アシュラマン カカカー、バカめ。これでゆっくりと話ができるわ。ところで、KIDよ、前からオマエの試合や経歴を見て、わたしと似ているところがあるなと思っていたのだ。今日は試しにオープンフィンガーグローブとボクシンググローブを着けてみたのだが、ひとつの身体に複数のグローブ、総合格闘技とキックボクシング(K−1)を同時にこなすKIDを象徴するようでもあるな。そうそう、残りの素手はストリートファイトという意味も含めてな、カカカ。わたしは小さな頃から喧嘩が好きで、魔界でも大暴れしていたものだが、オマエはどうなのだ?
KID まあ、たまーに。しなきゃいけない時なんかに。
アシュラマン さぞかし強かっただろうな。
KID 強かった。上級生とかばっかに喧嘩売ってたから。やられる時も。
アシュラマン ほう、自分から売ったり、売られたりしていたのか。
KID あー、覚えていない。多分、ウザい奴だと思われたんじゃないかな。
アシュラマン アマチュアレスリングの基礎があるKIDだが、喧嘩はやはり取っ組み合いから入るのか?
KID いや、殴り合い。そん中でぱっと倒したりして。姉ちゃんともしてたし(笑)。体格で負けてるんだけど、上になられても下からこう脚蹴りして。でも、パスガードされて馬乗りになられたり(笑)。
アシュラマン ほほう、流石は格闘技のサラブレット一家だな。総合格闘技の確立する前から本能的に闘い方を解っていたのだな。
KID 普通にそうだったね。「立ち」じゃ勝てなかったんで、ばーっとタックルとって。今はそんなんしないけど(笑)。
アシュラマン KIDは幼少の頃からアマレスの英才教育を受けてたところも、魔界でサムソン・ティーチャーからスパルタ教育をされていたわたしと重なるな。レスリングはいつからしているのだ?
KID 5歳。でも、毎日していたわけじゃないけど。最初は遊びからだし。
アシュラマン 辛いとか辞めたいと思ったことは?
KID キツイと思うのはいつものことで当たり前だし。辞めたいと思ったことは、あまりなかった。やらなかった時期もあるし。中学の時なんか遊びにいっちゃったりしてサボったりしてたし。
アシュラマン そんな時、父親はどうなのだ?
KID そらあ、言いますよ。「最近、やってねえな」とか。でも、普通に「まあ、忙しいんで」とか(笑)。
アシュラマン 父親に反抗はしたのか?
KID 反発してましたよ。でも、逆に俺の子供が、何でも「うんうん」って聞いてたら面白くない。それにずっと気にしたことなかったけど、最近になって子供の頃、何でも吸収する時期に、自分が与えられてきたものがパーフェクトな形だったんだって気付いた。そういうのって、ガキの当時は解んないと思うけど、やっと意識できた。
アシュラマン 話は変わって、オマエは前のインタビューでも「超人になりたい」と言っていたな。KIDにとって超人とはどんなものなのだ?
KID もう、そのまんまじゃないですか。人間を超えたもの。俺、アシュラマンに超なりたかったですもん。腕六本、超ほしいし。
アシュラマン ほほう。
KID アシュラマンみたいに腕六本あったら、フック、アッパー、ストレート、一気に出せる(笑)。金的蹴りなんかきても、下の手でぱっと防いだりできるし(笑)。
アシュラマン カカカ、なるほどな(笑)。そういえば、魔娑斗の「魔」は、悪魔の「魔」だな〜? オマエ、私のファンだとか言いながら、実は悪魔が嫌いなんじゃないのか? KIDよ、オマエがもし超人になったなら、正義超人界と悪魔超人界、どっちに入るつもりなんだ? はっきりしろ!
KID 悪魔超人のトップ。悪魔将軍みたいなのがいい。
アシュラマン カーカカカ、将軍さまとは、大きく出たな(笑)。それでこそKIDだ。
KID あー、今になってみると「神の子」より「魔界の王子」の方が良かったかな。「俺は神の子」って言った時に、やっぱ「俺は魔界のプリンスだ」って言えばよかった(笑)。
アシュラマン カーカカカッ、気に入った! せっかく人間界に来たのだ。オマエの願いを悪魔の力でひとつ叶えてやろう。KIDよ! オマエが「悪魔に心を売り渡しても欲しいもの」とは?
KID 強さ! 「強さ」の中でも自分の家庭を守り抜く強さ。そう、ヒールになってでも。
アシュラマン カーカカカ、了解したぞ、KIDよ。その願い、必ず叶うであろう。それにしても、オマエの家族への愛は、素晴らしく深いようだな。正直に言おう。魔界の王族に生まれたわたしだが、わたしは赤子の頃から、両親に「人は憎むもの。愛するものではない」と教育されてきた。一時はキン肉マンたちから友情を教わり、正義超人となりはしたが、わたしは我が子、シバをこの手で殺め、悪魔超人に戻ったのだ……。それ以来、わたしは、家族のことを考えないようにしている。オマエはどうなのだ? オマエにとって「家族」とは、いったいなんなのだ!?
KID 全て。死んでも守るもの。家族の為になら何でもできる。死んでもいい。
アシュラマン むむむ、胸に突き刺さる言葉だな。先月(1月17日)には次男(愛郁ちゃん)が無事、誕生したそうだな。どうだ、生まれたばかりの家族は?
KID もう、なんつうんですかね。ヤバイ! (赤ちゃんを抱いて)もう、ずーっと見てるんですよ、一日中。全然、飽きない。ちょっとの動きでも「はっ」っとする。たまに独りになるじゃないですか。そうすると目頭が超熱くなる。涙腺、かなり緩い。常に独りになったなあと思ったら、超泣いてる(笑)。
アシュラマン 泣いている姿を奥さんや長男には?
KID 見せられない、父ちゃんとしては(笑)。生まれた瞬間もいたから(出産に立ち会っていたから)、泣かないって決めてたんだけど、結局、ガンガン泣いてた(笑)。
アシュラマン ほう。わたしはとうに忘れた涙だが……それを聞くと羨ましくもあるな……いや、やはりわたしは悪魔! アシュラマンREBORNだ!! しかし、KIDよ! オマエには色々と教えてもらったぞ! もっともっと、強くなれ! そして、次に会う時は、心置きなく闘おうではないか!
KID OK!
アシュラマン カカカ、楽しみにしてるぞ! カーカカカカカカッ
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