INTERVIEW
魔裟斗
+page1
+page2

山本“kid”徳郁
+page1
+page2




― まず始めに、先日のDynamite!!のお話を伺いたいと思うんですが、今振り返ってみて、あのKID対魔裟斗戦について、どのような感想をお持ちですか。
KID そうですね、すごく盛り上がった試合になったんじゃないかなと思いますね。
― 大晦日の白熱した番組合戦の中で、あの試合については三十一・一パーセントもの瞬間最高視聴率を叩き出しました。そのことについてはどうですか。
KID やっぱり、オレとしては年末のお祭りっていう意識でやってたからね。いろんな人に見てもらって、楽しんでもらえたと思うとうれしいですよ。まあ、オレも魔裟斗くんもベストを尽くしたと思うんで、くやしい部分は残るけど、いい試合ができたと思ってますね。
― 視聴率もさることながら、やはりK‐1の二大ヒーローの直接対決ですからね。ファンの人は相当興奮しながら見ていたんじゃないでしょうか。KID選手から見て、試合の出来はどのような感じだったんですか。
KID やっぱね、経験不足だったなぁって思いますよ。試合の動かし方ひとつ取っても、全然ダメだった。そういう意味だとあっちは相当慣れてるから「あれ、うまいな」っていう感じはありましたね。やっぱアレっすね。K‐1ルールで試合やるんだったら、もうちょい経験積まないとマズい。前回安廣くんとMIXルールで少しやって、今回フルでやったわけだから、たった二戦だけだから、オレは。あと何回か試合をやって、キックボクシングの試合のやり方に慣れてくれば、全然大丈夫なんじゃないかな。
― なるほど。KID選手にはK‐1ルールでやってく自信がある、ということですね。
KID まあ、やってみないとわかんないけど。ただ、面白い試合はすると思うよ。やっぱ、オレの役ってそういう感じだと思うから。
― 例えば、先日の試合でいうKID選手の『あの一発』ですよね。KID選手の試合はいつも何が起こってしまう面白さってあると思うんです。あの試合でも、KID選手が魔裟斗選手をダウンさせたときは会場から震え上がるほどの歓声が上がりました。観ていた僕自身も思わず身を乗り出してしまったんですよ(笑)。
KID へえ、そうなんだ。よかった(笑)。
― その魔裟斗選手からダウンを奪った一発ですが、KID選手は左の確かな感触があったんでしょうか。魔裟斗選手は、試合後の会見で「あれはフラッシュダウンだ」というようなことを言っていたみたいなんですが。
KID うーん、ガッって入った割にはあんまり感触がなかったかもね。でも、ダウンしたときは結構効いてそうな顔をしてた。実際は、打たれた本人じゃないとよくわかんないど。
― それにしても、あの一発はアツかったですね。その直後に起こった『ローブロー』がなかったらと思うと非常におしい気がするんですが。
KID でも、それが試合でしょ? 仕方ないことだとオレは思ってるから。
― あのローブローは実際どうだったんですか? あれから時間が経っていますけど、その後の具合は?
KID 今はもう大丈夫だけど、あのときはかなりヤバかった。痛すぎて全然立てなかったもん。
― あのローブローについて、KID選手としてはいろいろ思うところがあるんじゃないでしょうか。例えば、あれで試合の流れが変わったとかそういうことですね。そのあたりはどうですか。
KID そうですね。あの金的で流れが変わったことは確か。なんていうか、ああいうやり方もあるんだなって思った。
― あのローブローは故意だった、ということですか。
KID 故意だったとまでは言わないけど、あれで試合の状況が全然違うものになったっていうことはあると思う。
― 確かにあれはキツかったと思いますよ。KID選手、あのまま試合を中断するということは考えなかったんですか。あの状態で闘うことは明らかに不利だったと観ていて思っていたんですが。
KID それはないですよ。そんなの絶対ありえない。あれがもしスポーツじゃなくて喧嘩だったとしたら、確実にオレがやられていたと思うんだよね。そりゃそうでしょ、手段なんて選ばないんだから。それを考えたら、あんなところで甘えてられないと思うよ。それに、せっかくお祭りをするためにわざわざ試合をしているんだから、あそこで試合をやめちゃったら観に来てくれたお客さんがかわいそうでしょ。
― もちろん、それはあるかもしれませんが……。
KID だから、ああいうのを食らってもすぐに立ち上がれるようにしなきゃいけないというのは、気持ちとしてあるよね。まあ、鍛えることはできないかもしれないけど、同じことをやられないような練習はしないといけないと思ってる。
― あのときインターバルを長めに取ったと思うんですが、KID選手はどういうことを考えていたんですか。
KID 何も考えられなかった。すごくうまくハマったみたいで、痛すぎて何にもできないの。つーか、痛みなんか越えちゃってすごく気持ち悪くなって、本当にヤバかった。こらえようにもこらえらんないじゃない、ああいうのって。だから、足も震えてきちゃったし、涙も出てきた。
― 観ていて本当に痛そうでした。
KID そう。それで、あのとき周りからたくさんタオルをかけられたんだけど、それがすごく恥ずかしかったんだよね。だから、「(試合は)やるから、これ取ってよ」って言ったの。そうしたら、医者がすごく怒って、「こんなの恥ずかしくない、それより身体が大事だろッ!」って言うのね(笑)。すごく参った。
― それはドクターの方も選手の身体を第一に考えないといけませんからね。あのような状況を考えればそういう言葉が出てきてしまうのもしょうがないと思いますよ(笑)。でも、反対に言えば、ドクターがそんなことを言わざるをえないほど状態が深刻な状態だったとも言えるんじゃないですか。
KID まあ、そういうことだったのかな。
― あの後の状況を観ていて思ったんですが、試合が再開した後に何度も足を震えているシーンがあったじゃないですか。やはり、ダメージを受けた後の展開は非常に辛かったんじゃないですか。
KID 確かにやられたときは「ウーッ」っていって動けなかったけど、(試合が)始まっちゃえばそんなこと気にならなかった。オレ、それだけ試合の内容に集中してたから。でも、ああいう攻撃を食らわないようにしないと本当にダメだね。あれで試合の流れを変えちゃったし。
(C)モッツ出版

(c)2005.One Vision TV.All rights reserved