― おめでとうございます、KID選手!今回は第一ラウンド・KOという非常に美しい試合運びとなりました。あなたのアグレッシブな試合に、会場にいた観客みんなが酔いしれてしまいましたよ。戦いを終えてみて、今の感想はどのような感じですか?
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KID めちゃめちゃ気持ちよかったッスよ。前回の安廣くんとの試合がちょっとみっともない内容になっちゃったんで、今日の試合はきれいに展開できたし、いい勝ち方ができたんで、すごく満足してます。なんていうか、自分の強いところをアピールできたんで、何よりもそこが嬉しいよね。 |
― ナラントンガラグ選手の身長(一七〇センチ)と体重(七十七キロ)を考えると、KID選手とってはかなり不利な状況だったと思うのですが、そのあたりはどうですか?
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KID いや、やっぱり身体の圧力とかすごかったね。それに、組み合ったときの腰が異常に強かった。腰がしっかり入ってるから、組み合おうとするとタックルを受けた感じみたいになるの。ヤバかったよね。なんか、身体のパーツ全部が太かったし。それでもさ、いくら身体がでかくてもアゴはみんな一緒だよね。当たっちゃえば、どんな奴だって倒れちゃうでしょ。
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― KID選手、さっきからモニター(このとき、ちょうど武田幸三選手とブアカ―オ選手の試合が流れていた)を気にしていますよね? やはり、この二人には興味があるんですか? |
KID ……そうなんだよね。この試合、この後どう転んでいくのかすごく気になりますよ。それにしても、二人とも強いな。
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― そういえば、試合終了後、リング上で魔裟斗選手に対戦表明をしましたよね。あれに関してはどのような意図があったんですか? |
KID やっぱり、年末の試合は格闘技界にとって大イベントじゃないですか。そこでオレと魔裟斗くんが試合をやったら、興行もすごく盛り上がると思うんですよ。
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― 魔裟斗選手と試合を組んでみたいというのは、前からあったイメージなんですか? |
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KID そう。オレたち二人でどんくらい盛り上がるのか、見てみたいよね。
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― 相手が魔裟斗選手となると、総合ルールで試合をするというのは難しいんじゃないでしょうか。 |
KID 絶対やってくんないでしょうね。 |
― となると、K-1ルールということになりますよね?
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KID そうッスね、もしやることになるんだったら、やっぱり、彼の得意なところまで行ってあげないとマズイですよね。
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― KID選手、あのような表明をしたということは現段階で勝算が見えているということなんですか?
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KID いや、そうじゃないッスよ。試合するなら、これからでもコンディション作りとかしっかりやっていく必要あるし、立ち技ももうちょい練習しなくちゃいけない。今日はたまたま立ち技で勝ったけど、あれは『総合ルールの中での立ち技』だから。『立ち技の中の立ち技』とはまた違う次元の話でしょ。だから、ちゃんと練習したいっていうか……、そんな感じだね。
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― これからのK‐1MAXにおいては、総合ではなく立ち技に専念するつもりということでしょうか? |
KID 両方だよ。でも、なんだろ、もっとオレが中量級の総合を盛り上げてあげないといけないよね。
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― それは具体的にどういうことですか?
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KID なんつーか、オレぐらいの中量級のレベルの奴って他にもたくさんいるわけじゃない? ガツガツ這い上がってくる、オレぐらいの強さの奴なんかいっぱいいるから。そういう奴にはどんどん前に出てきて欲しいんだよね。けど、やっぱりオレは総合代表の人間だからさ。このオレが総合をトップレベルに引き上げていく必要があるんですよ。そういう意味では今日の試合はよかったよね。すごいおもしろい内容になったから。今回で総合を好きになった人もいただろうし。
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― 今現在のK‐1界を見渡してみて、KID選手の中で総合ルールで戦いたい選手はいますか?
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KID 別に。特にいないね。……なんか、組んでくれさえすれば誰でも戦いますよ。
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― さて、対戦表明も含めて、試合終了後のリングではいろんなことが起こったように思いました。その中でも、お子さんとじゃれ合うKID選手の姿はとても印象的でした。今回の試合ではお子さんに強い父親の姿を見せられたと思いますか?
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KID いや、最高に嬉しいッスよね。今日のオレは、日本一かっこいいパパですね。 |
― 家族の方々もリングの上にあがられていたようでしたが、誰かから何か声をかけられましたか? |
KID いやいや、家族とか知り合いとか、周りの人間が一気にガーッてすごい集まってきたから、みんな何を言ってるのか全然わかんなかった。まあ、親父が近寄ってきたのはわかったんで、みんなに紹介したりしましたけど。「おめでとう」って言ってたかな? そんな感じッスよ。 |
― お忙しい中、ありがとうございました! |