■ K-1WORLD MAX
2004世界王者決定戦
@10.13.2004

+須藤元気

+山本"KID"徳郁

+小比類巻貴之

+武田幸三

+安廣一哉

+大野崇

+小次郎





― いきなりですけど、その右足はどうしたんですか?
須藤 前もって言わなかったんですけど、試合の三週間前くらいに痛めてしまっていたんです。でも、試合を放棄するわけにはいかないじゃないですか。だから、とりあえずやり切ろうと思って麻酔でごまかしながら参戦したんですが……。試合中は興奮して平気でしたが、リングを降りてからすごく痛くなっちゃって。
― 病院には行かれたんですか?
須藤 はい、試合が終わって昨日行ってきましたよ。『右足根骨不全骨折』って診断だったんですけど、要するに『ヒビ』ですよね。全治五、六週間かかるみたいです。でも、そこまでたいしたケガじゃないんで心配はいらないですよ。
― そんな状態で、よく試合に出れましたね!
須藤 試合をしていたときはそこまで痛くなかったんですよ。それでも、足のことは気にしていたんで、最初試合では左を中心にしてたんです。でも、時間が経つにつれてラーマ選手の勢いがどんどん増してきちゃって。それで、右側を使わざるを得なくなってバンバン蹴ってたら、やっぱりこんなになってしまいました(笑)。まあ、たいしたことがなければそれでいいです。
― 年末の試合はどうなさるんですか?
須藤 そうですね。実際の話、今の段階ではケガがどうなるかわからないんですよ。もしかしたらこれ以上長引いてしまうかもしれないですし、もっと早くに治る可能性もあるわけじゃないですか。いずれにせよ、時期を見て参加を決めたいとは考えてますけどね。でも、きっと大丈夫ですよ。
― 確かに、それは身体じっくりを休めてからの話ですよね。オフの時間は取れそうなんですか?
須藤 それが全然見通しつかないんですよ。試合が終わってからも少しバタバタしてるんで、とりあえず、そこが落ちついたら休むという感じです。
― では、先日の試合の話を聞かせてください。対戦相手であるラーマ選手に関してはどのような印象を持たれましたか?
須藤 彼はやっぱりプロフェッショナルでしたよ、戦い方についても、パフォーマンスについても。記者会見ではいろんなことを言っていたようですけど、ラーマ選手のK‐1での立ち位置を考えるとそれも当然だと思うんです。そもそも、最初に会ったときから、根っからの悪い人じゃないっていうのはわかっていましたしね(笑)。だから、試合に関しては非常に気持ちよくできたと思いますよ。
 ― 第一ラウンドで須藤選手がリングをクルクル回ったとき、ラーマ選手がしつこく追っかけて来るシーンがありましたが、あのときの心境はどうでしたか?
須藤 あれはシミュレーション通りでした。僕、試合前のイメージを明確にしていたんです。ラーマ選手はサウスポーだったんで、自分側に迫ってくるとどうしても相手の正面に立ってしまうんです。だから、とにかく左周り、左周りということを意識していたんですね。それで、外側から下段を効果的に使って、中に入ってくるのを止めようと考えていました。けど、途中で何発かボディーをもらったんですよね。三発ぐらいかな? ちょっと効きましたよね、さすがに。でも、そのあたりは根性でこらえました、はい(笑)。
― ボクサー・スタイルというのは、やはり厄介でしたか?
須藤 いや、ラーマ選手自体は一流のボクサーなので、最初から今回の試合は簡単にはいかないなと思っていましたよ。特にパンチに関してはとても警戒していましたしね。というのは、ラーマ選手の武器ってパンチしかないじゃないですか。武器がひとつにしぼられている分、攻めに躊躇がないんです。普通の選手なら、キックがあったり、ヒザがあったり、その瞬間何をやろうか考えているものなんですよ。だから、その瞬間ちょっと相手の様子を見る余裕ができるんですけど、彼の場合それがないんです。やっぱりパンチしかない、もう絶対打ってくるなと思いますからね。
―  ということは、今までの試合と比べてみても、結構やりにくい相手だったんじゃないですか?
須藤 ええ、今までの中で一番プレッシャーがありましたよ。ラーマ選手の場合、見た目から、パンチに相当の自信があるのがわかるんです。キックを散らして隙ができたところにパンチとか余計なことをしなくても、拳だけで勝負ができるっていうことを彼はよく知ってるんです。そういった意味では、他の選手にはない威圧感を感じましたよね。僕、今回はトリッキーな動きをしなかったんですが、あれは正確に言うとできなかったんです。仮にしていたとしても通用しないだろうというのが眼に見えてましたからね。そんなこともあって、とにかく集中してちゃんとしたK‐1スタイルをしようと考えたんです。そうしていくことがベストだろうとも思いましたしね。とにかく勝てて良かったですよ。
―  トリッキーな技を使わず、正攻法でいくというのは、あらかじめ決めていたんですか?
須藤 そうですよ。まあ、余裕があったら新必殺技の「GTサイドキック」をやろうとは思ってましたけど(笑)、想像以上にラーマ選手の詰め方が強かったんで、ちょっと無理でしたね。
―では、最後に、応援してくれたファンにメッセージをお願いします。
須藤 みなさん、応援本当にありがとうございました。今回、このような形でケガをしてしまいましたが、年末までには調整をして出場できるようにしたいと思います。
― お忙しい中、ありがとうございました!
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