■衝撃!ハッスルを知らない!
アントニオ猪木
スペシャルインタビュー!
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■“WE ARE ALL ONE”
須藤元気インタビュー!
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― では、今後の格闘技の展開について聞かせてください。今現在K‐1総合の世界を考えると、日本人選手の太い柱が二つあると思うんですね。ひとつは山本“KID”選手、もうひとつは須藤元気選手だと思うんですよ。このような立ち位置について、須藤さんはどのように考えられていますか。
須藤 うーん、あまり他の人は気にしていないですね。まあ、ひとつの捉え方としてKIDさんと自分が出たと思うんですけれど、そういうことは特に関係ないと思うんですよね。やっぱり、自分は自分なんで。その中には、もちろん魔裟斗さんもいれば、例えば、五味だっている。そう考えていくと、二人と限定することはぜんぜんできないですしね。
― じゃあ、これから戦ってみたい選手は……。
須藤 そういうのもないですねえ。
― やっぱり! ないんですか。
須藤 ないです。もう、人は人ですよ。人がどうあったって、自分が勝たなくっちゃ意味がないんで。あくまで格闘技というのは自己表現ですからね。相手がどうこうっていうのは、あんまり、ねえ。絵的な問題で、自分の戦略的なところでは『グレイシー』っていうことを言っていますけれど、実際のところをぶっちゃけちゃうと、本当にないんですよね。
―  ということは、あえて自分からこの選手と戦いたいっていう感じでアプローチすることは……。
須藤 ないですね。
 ― そうなんですか。いやあ、ファンとしては、もう一度魔裟斗選手と試合をしてほしいとか、クラウス選手とやってほしい、っていう気持ちはあるんですけれど。
須藤 彼らは彼らの生き方とかやり方があるわけですからね。そこにあえて自分が介入していって、彼らに勝って云々っていうのはあんまり意味がないと思うんですよ。例えば、KIDさんならKIDさんのポジションがあるわけで、魔裟斗さんにも魔裟斗さんのポジションがあるわけですよ。そういうの、確かにいろいろあるけれど、自分は試合の中で〈独創性〉を求めているんで。人のことに対して捉われすぎてしまうと、そういう部分が希薄になっていきますからね。
―須藤さんの場合、やっぱり一番大切なのは独創性なんですか?
須藤 そうですよ。やはり、格闘技はエンターテインメントですし、あくまでも芸能ですからね。そういった人とは違った部分があるからこそ、こういう風なメディアに出ることができるわけですから。あくまで、自分は絵描きなんですよ。それで、試合する相手っていうのはキャンパスなんです。だから、どんなキャンパスでも、好きな絵を描くっていうことが一番大切なんですよ。相手が岩だとしたら、じゃあ、岩にどういう風な絵を描こうっていうことですよね。どうしたらその素材の中で面白い芸術作品ができるのかっていうことだけを考えるのであって、自分は布のキャンパスがいいだとか、そういうことに捉われて考えることはないんですよね。
― いやあ、今、話が全部つながりましたよ。じゃあ技は、絵を描く筆であったり絵の具であったり、自分の作品を完成させる材料だっていうことになるんでしょうね。
須藤 そういうことになりますよね。だから、素材にどんなものが相性がいいのかによって決めるわけですよ。
― むちゃくちゃクリエイティブじゃないですか! うわあ、本当に作品志向がつよいんですねえ。……今の話を訊いたら、もう、ほとんど愚問だと思うんですけれど、ちょっと質問させてください。あのう、プライドには興味あったりするんですか?
須藤 いやあ、もう興行は気にしないッスよ。
― 試合が組まれたところで、戦うっていうことですよね。
須藤 自分がいかに自己表現して、いかに多くの人に観てもらうかだけですからね。やっぱり自分の“WE ARE ALL ONE”っていうメッセージを伝えたい部分があるんで。そういう点でメディアに出るということは、非常に重要だったりするんですよね。だから、興行同士でごちゃごちゃもめてる部分ってあるじゃないですか。そういうところも、もっとフラットになればいいんじゃないかな、って思いますよね。そんなごちゃごちゃしてるところで、自分がどこに出たい、何に出たいっていうのは、もう卒業かなって感じですよ。
― すごい大人の発言ですね(笑)。
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